#1 ヤンキー少女扉を蹴破る
初小説 初投稿です
頑張って 書いていきたいと思います!
誤字脱字ありましたら教えて下さい。
◎ 第1話 ◎~あたし 猪に出会う~
「おおう…」
無意識に あたしから出た言葉は、何の意味も無い音だった。
だって 特攻かまして突撃した 廃工場の倉庫…確かに あたしは雄叫びと共に、倉庫に1番乗りしたはず。
「おおう…」
もう、それしか言えない。だって目の前には一面の草原と あたしの後ろには 倉庫の錆びた鉄の扉と 子分どもじゃなくて何故か 鬱蒼とした森が広がっている。
とりあえず、状況確認しよう‼ 細雪 紅緒 墨染高校1年 今日は因縁の相手 明星高校から決闘状を受けて、倉庫に子分を引き連れて行った。
うん。ここまで大丈夫。そして ウオラァ‼と叫びながら、倉庫の扉を蹴破って……
「鉄パイプ振りかぶって中に入ったら 草原だった…」
マジか…呆然とする。思わず、よろめいたあたしの足に何かがあたる。
「あ…鉄パイプ…」
これ、あたしが持ってきたヤツ、だよね。
今日のケンカのために新調したピカピカの鉄パイプ…汗やモロモロで手が滑らない様に工夫された、あたしの鉄パイプ。
「はっ!…いけない、軽く現実逃避していた。」
さて、どうしようか。女は度胸と根性と気合いだって姉ちゃんも言ってたし。足元の鉄パイプを拾う。うん、手に馴染むわ~
握りを確認しながら、軽く素振りをしていると
『グルルルゥ』
「?!」
……いま、後ろから 不吉な音が イヤ 、声が聞こえた。
近所の猛犬、プードルのみつ子さんが訪問者を、見つけたときの声が…
恐る恐る、振り返ってみると…そこには、デッカイ猪が血走った目で あたしを睨んでいた。
「え?猪?ってか、猪ってあんなんだっけ⁉」
いやいや、ないわぁ~軽自動車並みの大きさって…
猪って 角生えてたっけ?眉間から サイみたいに角が生えている
牙も あたしの手首ぐらいの太さがあるようだ…
「けど、負ける気しないんだよね。」
あたしの最終目標は、熊に勝つこと…猪ごときに遅れをとれないっての‼姉ちゃんは、すでに猪を攻略済みだって言ってたし
「あたしだって、猪ぐらい…!」
右手の鉄パイプを、ギュウッと握り締める。目を反らすな‼
猪の一挙一動を観察する。今日のケンカの不完全燃焼を 猪で解消させてもらうよ‼
『グガガガァァ‼』
大きく頭を 振りかぶって、口から涎を振り撒きながら 突進してきた。猪突猛進!書いて字のごとく‼
「さすが‼猪だねッ」
紙一重で 身をかわす、ついでに鉄パイプですれ違い様に鼻面に一撃くれてやった‼
『ッギギャァァー‼』
「ぬるいっ!」
猪って こんなもん?何か、拍子抜けだわ。あたしの一撃で角は折れ、足がプルプルしてる。
これは、確かに姉ちゃんの言う通り
「まだ…みつ子さんのが手強いわ。」