第十一章 もう、異世界で異世界転生ってどういう事!?
「おおおおいい!! ルーナ!」
「ルーナちゃん!!」
ルーンが心配そうな顔をしている。
仲間思いなのが伝わる、早く見つけよう。
「一体どこに消えたのでしょうか……」
「見つかんないねー。ルーナちゃん」
さっきから、何十分も探しているのに見つからないって、少し不自然な気が……。
あいつもしっかりしているし、すぐに見つかると思ったんだが。
迷子放送でも流すか? 流石にそれはあいつが、怒るな。
俺達は、その後もずっと探したがルーナは見つからなかった。
俺は、アマテラスと外を探しまわった。
「ご主人!! これ!」
「どうした……おい、これって」
アマテラスが一枚の置手紙を拾った。
そこにはこう、記されてあった。
「小娘は預かった。返してほしければ、ユウキ・カミシロ 貴様だけでわしの世界に来るのだ。この手紙の裏に書いてある言葉を、声にだして読めばいい」
ルーナが……誘拐された……? あいつが……。
にしても、ベタな内容……。
つか、何でこいつは俺の名前を知ってんだ?
もしかして、これは俺を試してるのか?
まあ、いい。
裏の言葉は……
「パッパカパーン! 異世界にワープなのじゃー……」
俺が叫ぶと、地面に大きな魔法陣が描かれ、光だした。
眩しい。
「アマテラス! 掴まれ!」
「はいですにゃ!」
魔法陣の激しい閃光と、共に俺達の姿は消えた。
「ここは? ……」
「ご主人! ご主人! 見てくださいにゃ!」
俺は、目をしっかりと開かせ、周りを見渡した……。
その光景は……。
「ん? ここは?」
「あ、気がつきましたにゃ」
アマテラスの顔が視界に入った。
木もたくさんある……。
森か……。お、こんなことしている場合ではない。
早く、ルーナを見つけないと……ん?
茂みの方から鳴き声が……。
「グルルルルルルル……」
「ご主人、あれは、ケルベロスです!!」
「ケルベロスって首が三つある奴か?」
アマテラスは、コクリと頷いた。
どうやらそうとうやばいらしい。
ってあれ? HPゲージがない。
ステータスも念じても出ない! 何で!?
もしかして……。ここは、元の世界と違う。ここは、ステータスが基準ではないそうだ。
空間魔法はあるな。スキルは……ないか。
と、こうして考える内に、ケルベロスが突進してきた。電光石火の如く俺の右腕に噛みついた。
「いってぇぇぇ。こいつ速すぎ!」
「私も援護しますにゃ」
アマテラスは、魔銃を取り出し、発砲した。
ケルベロスは次々と固まった。いや、正確には麻痺していた。
この魔銃、見た事ある。たしか、麻痺ガン。
そのままの名前だが、援護にはとても最適な銃だ。
俺は、麻痺している、ケルベロスに駆け寄り、撃銃で眉間を撃った。
喚くこともなく、死んだ。
残りのケルベロスも、問題なく倒した。
なんとか勝利。
「はああ、犬っころは全部消えたな」
「そうですにゃ。これからどうしますにゃ?」
誘拐犯から何もコンタクトが来ない為、どうすればいいか全く分からない。
とりあえず、町か村に行ってみるか……。
そいえば、ここどこか分からない。
ま、ずっと南に進んでみるか!
俺達は、森を抜けるためずっと南に歩き続けたのだが。
「おい、もう一時間位経ってるぞ、何で出られない……」
「ご主人、この木と石。さっきも見ましたにゃ」
「嫌な事言うなよ……」
その言葉を言ったらほぼ遭難じゃねーか。
絶対に抜け道はある。ここでゲームオーバーは流石にできない。
俺達はさらに歩き続けた。
二時間後
おい、全然出られる気配ないんだけど。
ああああああ!!! 遭難だ。 そうなんだ~。
もう、頭おかしくなった。元々か。
俺は、森の湿った空気が漂うなか、歩いていた。
すると、木に女の子がもたれているのが見えた。
あの子に道を聞こうと、近づいたが。
「え、ボロボロじゃないかっっ!? ど、ど、ど、どうしよ」
「任して下さいにゃ。 ハイ・ヒーリング!!」
アマテラスが叫ぶと、女の子の周りに光が生じ、女の子を包んだ。
キズはみるみる治っていき、綺麗な体へと変わった。
ひとまず安心。
だが、すでに日没を迎えていた。
空は暗くなり、日も沈んだ。今日は野宿だな。
俺は、辺りから木の枝を集め、火起こしでもしようかと企んだが……。
しまった。火起こしの道具がない。
いろいろと、考えていると、女の子が目を覚ました。
澄んだ緑の瞳がこちらに向いた。
「え!? あなた達誰!? 私、森で修業してて……」
「君がボロボロで倒れていたから、治療したんだ」
「え、あ、ありがとう」
「それより、ここは何処なんだ? どうすれば森から出られるんだ」
俺が唐突に言うと、少し驚いた表情で少女は言った。
「ここは、迷いの森。森の主を倒さない限りここからは、出られない」
「うわ、マジかよ……」
「あの、助けてくれてありがとう! 私は、エミル・クラディナ よろしく」
「俺は、ユウキ・カミシロ よろしく、でこっちが、アマテラスな」
「よろしくですにゃ。それと、エミルはエルフなのですか?」
エルフってあれか? 耳が長くて魔法が強い種族だろ。
こいつの耳……。
長い。明らかに常人より長い。
エメラルドグリーンの髪、確かにエルフっぽいな。
つか、可愛い! めちゃ可愛い!
暗くてよく見えなかったけど可愛い。
「あ、そうだ! 俺達、今仲間を探しているんだ。手伝ってくれるか?」
「いいですよ。私を助けてくれたので、その恩返しという事で」
エミルが要求に応じてくれて、心強い。
エルフの魔法にはすごく、期待できる。
「それじゃ、俺は…………zzz。zzz」
「あ、ご主人寝ちゃったですにゃ」
「ふふ、そうみたいですね」
俺は、いろんな環境変化に疲れ、眠りについてしまった。




