表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
路地裏バー  作者: いろは茶
4/8

路地裏バー4

「はい、麦茶」


「あ、ありがとうございます」


ユカリの部屋で寝かせてもらった次の日の朝、ユズキはユカリと一緒に、リビングでゆっくりくつろいでいた。大きな窓から差し込む光が、少しだけまだ目にまぶしい。


「麦茶、おいしいです」


「私は朝から珈琲だけどね」


しばらく喋っていると、リビングにあのバーテンダーの男が現れた。名前は確か、ヒロシゲさん。


「なんだ、二人とも起きてたのか」


「あの、おはようございます」


「うむ。おはよう少年」


少年? なんだか古臭い呼び方だ。


ユカリがヒロシゲの珈琲を入れる。


ヒロシゲは珈琲を飲んで、


「二人は、このあと暇?」


「ううん。これから物置部屋を掃除するんだ」


「物置部屋を?」


「うん。ユズキくんの部屋にしようと思って」


なるほど、とヒロシゲは頷いた。


「良い考えだ。二人で頑張ると良い」


「なに言ってんの。パパも手伝うんだよ」


「残念。俺には仕事がある」





ユズキとユカリがリビングを出ていくと、それを見計らってヒロシゲはポケットからスマホを取り出してどこかへ電話を掛けた。


「あ、もしもし? 俺だけど――」



                 ・


「だいぶ片付いてきたね」


「そうですね」


物置部屋を掃除しているうちに、あっとゆう間にお昼になってしまった。ユズキもユカリも、もうすっかりくたくたになっている。お腹もすいた。


「おー、頑張ってるな」


その時、ナイスタイミングで麦茶を持ってきたヒロシゲがひょっこり顔を出した。――麦茶だ。ありがたい。


「ちょっと休憩します?」


「うん、そうする」


ユズキとユカリは、一端物置部屋から撤退。


廊下で一気に麦茶を飲み干すと、ユカリがヒロシゲに訊いた。


「もう仕事終わった?」


ヒロシゲは首を振る。


「悪いな。これからちょっと仕事で外出」


「どこいくの?」


「内緒」


「えー、気になる」


「帰ったら教えるよ」


そう言うと、ヒロシゲは不敵な笑みを浮かべてユズキを見た。


「な、なんでしょう」


「まあ、楽しみにしてろって」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ