第3話 プライベートな顔。
車の中では、なぜか彼は無言で話しかけれる雰囲気ではなかった。
30分ほどして私のマンションの近くのコンビニに着いた。
車が駐まり、シートベルトを外し、お礼を言おうと彼の方を向いたその時。
「今日は何の日か知ってるか?」
「今日はたしか太平洋戦争開戦記念日です。」
「なんでお前がそんなの知ってるんだよ。‥‥‥そういう意味じゃない。」
はぁと不機嫌そうに彼はため息をついた。
「じゃなんで今日俺が誘ったのかも知らないのか?」
「仕事を手伝ったお礼だって言ってましたよね?」
再び彼はため息をついた。そんなにため息つかなくてもいいじゃないと思いながら、彼の言葉を待った。
「それは建前で‥‥‥今日は俺の誕生日だ。」
「それはおめでとうございます。」と返すと心がこもってないと指摘された。
なぜ私がそこまで心を込めて言わなければならないのか謎だと不思議な顔をしていた。
彼が何か言いたそうで、言葉を待っていると、
「‥‥‥俺はお前のことが好きだから、今日を一緒に過ごしたくて誘ったんだよ。誕生日に誘うってことはそういうことだってわかると思ったんだよ!」
薄暗い中でもわかるほど彼が真っ赤な顔をして言った。
「うそだっ!」
つられて真っ赤になった顔で叫んだ。
「だってそもそも誕生日ってこと私に言ったことなかったじゃないですか!」
「今日が誕生日だって、他の社員がお前がいるときにおめでとうと言いにきたことがあっただろ?」
「‥‥‥そんなことありましたっけ?」
「お前聞いてなかったのかよ‥‥‥」と彼はため息をついた。
「というか、そもそも好きだなんて言わなきゃ分かるはずないじゃないですか!」
「お前はそんなに鋭いわけないよな‥‥‥」
「私だけじゃなくて、課長の態度からじゃ分かりませ「じゃ、実際聞いてどう思った?」」
「へっ?それは‥‥‥別に嫌じゃなくて」ごもごもと言いながら、必死に混乱した頭で考えていた。
ぼそりと嫌いじゃないんだなと少し微笑んだ後、ふと彼は真剣な表情になり、言った。
「それじゃ俺のこともっと好きになってくれ。俺なしではいられないほど。」
彼らしく俺様のように命令するのではなく、懇願のようだった。
「お前のこと大切にするから‥‥‥。」
そう言うと彼は私を優しく引き寄せ、離れないよう強く抱きしめた。
〈そのあと〉
抱きしめられたまま、しばらく経ったが彼が離してくれる気配がない。
「あの‥‥‥課長?」
「今は課長じゃない。名前で呼べ。今はプライベートだ。」
「じゃ、川田さん。」
その呼び名に不満そうな顔を浮かべた。
「なんでそんな他人行儀なんだよ。信弘って呼べよ、紗月。」耳元で下腹部に響くような低い声で彼は言った。
「っ!!」
その声は反則だと心の中で思った。
終わりましたー!!
予定変更すいません。というか川田さんのキャラがorz
川田さんverを作るかどうかで悩み中(-.-;)
川田さんのもあったら、いいですかね?
とりあえず、読んでくださってありがとうございました!