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夜城煉の決意と朝倉鈴のプチギレside煉

煉視点にして書いたら、煉のイメージが崩れたような気がします。

否、崩れました。大崩壊?大崩壊!!

煉好きの皆様には土下座を……orz

「……協力して」

「……何を?」

「暦と元生徒会会長の秋平修を別れさせるの!」

「……え?」


事の始まりは、珍しく俺を嫌っているもう一人の幼馴染み、朝倉鈴が俺の部屋に訪問した事。


前回、鈴は暦の死亡する大学の進学先を問いただすために俺を交えるために、俺の部屋に連れてきた。

……その時に、連れてこられた暦が大変そうな格好だったが。

取り敢えず、暦を連れてきた日から一週間後の今日。

学校帰りだったのか、制服姿で突然、前触れもなく、ふらりとやって来た。

――焦った顔で。


「……え?秋平修って、あの?」

秋平修の事は、暦が二年生の時に暦は副会長、秋平修は会長で生徒会に務めていた時、暦達が通っている高校の文化祭に行って、知った。

……正直、何故か俺は彼の事が嫌いらしい。理由も無く、彼を見るとイラついたりする。

「うん」

「……二人は、付き合っていたの?」

自分で言って、何故かイライラする。

「一週間前から、らしい」

「らしい?」

「知ったのは、昨日」

「何故気がつかなかった?」

「暦と教室の階が違うから、気がつかなかった」

鈴は眉間に皺をよせ、悔しそうな様子だ。

「そうか」

「噂だと一週間前から、秋平修が呼び出して告白したらしい」

「暦はそれを受けた……」

「人が暦から離れている間に……!」

鈴は、暦を秋平修に取られてとても悔しい……否。それ以上に憎いらしい。

イライラしながら、俺は手を無意識に拳にして力を入れていたらしい事に気がついた。拳にしていた手を見ながらゆっくりと開く。

その時、ふと俺は一つの疑問に気がついた。


――何故イラつくのだろうか?


「今日、二人はデートするらしい。今まで何も無かった。……だけど、もう付き合って一週間。そろそろ二人に何があってもおかしくない」

鈴の言葉を聞いて、カッとなった。反対に、どんどん頭が冷静になっていく。簡単に言ってしまえば、心が怒り狂って、頭が冷静な状態だ。そういえば、俺がこの状態になると、暦が顔を引き攣らせていた。

取り敢えず、何か言葉を出そうとしても一言も言葉が出てこなかった。

「煉は暦をどう思っている?」

「……暦は、妹みたいな」

「違う」

鈴は、俺の言おうとした事を遮り、即座に否定した。

「絶対、違う。煉の暦に対する目が、ずっと“幼馴染み”を見る目じゃなくて、“好きな人”を見る目だった。煉は、気がついていないだけで、暦の事が好き」

今、とても言いたくなかったというばかりに顔を歪めて、俺を睨む様にして見て鈴はとてつもない事を言った。

俺は鈴の言った事に、頭の中が真っ白に、体が金縛りにあったように固まって動かなくなった。

そしてすぐに、俺は暦の事が好きだとすんなり納得できた。先程の怒りは、嫉妬だったのだ。暦の隣に居る、秋平修への嫉妬。子供染みた感情。

だけど、俺は即座に別の事を考えた。

俺は、人外だ。吸血鬼であって、人間ではない。悟られずに同じ場所で暮らせないし、いつかはここを出ていく身なのだ。


そんな奴に、気持ちを寄せられても暦も迷惑だろう。


「煉、余計な事を考えないで自分の気持ちを大切にだよ!」

鈴に、俺の心の中が覗かれているような気分になるような助言をされた。

「俺の気持ち……?」

「どうせ、自分の気持ちは迷惑だろうとか何とか考えているんでしょう。そんなの今更だよ阿呆(あほう)!そんなバカな事考えている暇があったら、暦に迷惑かけてでも何かに巻き込んででも告れよ!早くしないと、暦は秋平修にとられる。時間が進まない事は絶対に無い、時間は有限なんだよ。進むうちに変化は起こる!不変は絶対に無いとは言い切れない!!」

「変化……」

「いいからさっさと早く行け!この大馬鹿者!!うつけ者!!暦を攫ってこい!!」

「……鈴、暦は何処へ?」

――覚悟は、決めた。

「三駅先にある、ショッピングセンター。今は映画を見ている筈。その後、そこの本屋に行くらしい。その後は……」

鈴はどんどん予定を告げていく。あまり、饒舌な鈴を見た事は無いのだが、それはたぶん暦に関係して秋平修を恨んでいるからだろう。

三駅先のショッピングセンターは行った事がある。……それよりも。

「鈴はまだ、暦の“ストーカー”をしていたんだね?」

「違う!」

違わないだろう。デートの予定を知っているのは助かるが、人としてどうかと思う。

「じゃあ行って来るよ」

「秋平修をへこませろ!暦を助け出せ!」

両方とも鈴の本音だろう。どちらかと言うと、後者の方が気持ちは強い筈だ。絶対。

本当にすみませんでした。

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