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攫われた姫と、攫った吸血鬼

遅くなりました!すみませんでした!

何でつまらないの……?


――あたしは、修には見えないようにため息をついた。



今、あたしは修と世間一般で言うデートをしている。

最初に誘ったのは修の方だった。

二日前に今日の予定を聞いてきて、あたしが特に予定は無いと言ったら修はデートに誘ってきたのだ。

人生初のデートである。

あたしはそういった事がいまいちよく分からないので、行先は生徒会の時とかに趣味があっていたので任せても安心だろうと修に決めてもらった。

そして、決まった行先が映画と本屋。本は大好きだし、映画も見ていておもしろかったら平気なので特に異論は無かったから了承した。


そして、今日。

楽しい筈なのに、楽しくない。それは何故なんだろう――?

「……暦?」

「ん?何、どうしたの?」

「何かぼーっとしていたから。大丈夫?」

「そうかな?大丈夫だよ」

「ん。……そろそろ本屋行く?」

「うん!」

本屋の単語を聞いただけで、少し気分が浮上したと思う。


本屋は歩いて十五分の所にあるため、少し歩いているとあたしの名前が呼ばれるのを聞こえた。

――修ではない別の、馴染みのありすぎる人の声で。


「暦!!」


進行方向からその声の持ち主、煉兄が走ってくる。……とても焦った様子で。

煉兄が走っていて焦っているのは、とても珍しくて何かあったのかと心配する。

「煉兄、どうしたの。何かあったの?」

「ちょっと来て」

走ってきた煉兄は、あたしの腕を痛い位に強く掴み――。

「悪いけど、暦連れて行くから」

と、修に声を掛けて走り出す。

な、何!?このラブコメ的展開はっ!!美形が颯爽(さっそう)とやって来て、そして腕を掴み颯爽と去っていく!!みたいな!


ちなみに、煉兄は吸血鬼の事もあってか美形だ。煉兄の両親も美形で、もしや吸血鬼か?とあたしは(にら)んでいる。


と・り・あ・え・ず!!周りで「おー、小説やマンガの様だなぁ。あはは」なんて、温い目で傍観(ぼうかん)するには良いけど!!

実際にやるのはある意味で抵抗あるって恥ずかしいって、初めてこの身で分かったよ!

周りの視線が!恥ずかしくてたまらない!!

意図してやっていたのなら、マジで全力で離れたいんだけどなぁ……。

当の原因である煉兄は、特に周りを気にせずさっさとあたしの手を引いて走っている。

「れ、煉兄!?何で!?」

「話は後で。取り敢えず走って」

無理言うな!あたしは自慢ではないけど、運動が本気で苦手で運動不足だから体力も無いんだよ!

――そう言おうと、あたしは煉兄の横顔を見たら何故か言葉が詰まった。

同時に、顔が熱くなってくるのが分かった。

多分……多分ではないが、顔も真っ赤だと思う。


その後、煉兄の家につくまであたし達二人はは無言だった。


「――で、公衆の面前であんな羞恥プレイにはしれる位の用事なんだよねぇ……?」

本当にあれは恥ずかしかった!(しばら)くの間は、あの辺は歩けない気分だ。

「……暦」

「何か?」

「……秋平修と付き合っているの?」

「……うん、付き合っているよ。それが何か?」

――煉兄にも彼女“達”居るから良いよね。

あたしは、わざと彼女達が餌なのを知っていて、そして何人か居るのを知っていてその言葉を続けた。

「っ!」

煉兄は、何かの痛みに耐えるような顔をする。たぶん、あたしは何も知らないと煉兄は思っているから好きで付き合っているわけでは無いのにとか思っているのだろう。


それにしても、今日は珍しいものの豪華オンパレードだなと思った。本当に凄いよ!一年に二度あるかどうかの珍しさだと思う。明日は、雨が降るか槍が降るか雪が降るか(ひょう)が降るか雷が降るかのどれかかなぁ……?どれも嫌なんだけど……。

「ねぇ、もしかしてさぁ……付き合っているのか確認して、付き合っていたら別れさせる事でも考えたの?そういうのそろそろ止めてよ。あたしだって、もうすぐ大人なんだよ!?いつまでもそんな――」

「違うっ!」

「何が違うの?」


我ながら、よく冷たい声が出せたなと思った。

「攫われた姫と、攫った吸血鬼」というサブタイですが、ぜんぜん話に合ってない……。

ちなみに姫と一緒にいたのは、王子ということで(笑)二人の仲が良過ぎて助けには行けませんが。


煉は美形の中ではスッとした……何て言うんだろう、スッキリとした?イメージです。

ちなみに、両親も同じような感じ。


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