表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/82

この世界のクリミア戦争

■ この世界のクリミア戦争(1853〜1858)

―「ロシアの優位なまま終わる」クリミア戦争 ―

本来の史実では、英仏連合がクリミア半島に上陸し、セヴァストポリ包囲戦

が戦局を決定した。

しかし、この世界では条件が全く異なるため、戦争はロシア優位のまま痛み

分けで終わるという大きな差異が生まれる。

---

◆ 1. 戦争原因 ― 史実と同じ「聖地問題」だが状況は異なる

● 1) 聖地管理権をめぐる対立

• ロシアは正教徒保護

• オスマン帝国はカトリック保護権維持を志向

史実ではこれが英仏の介入の導火線となったが…

● 2) この世界では英仏が「十分に介入できない」

• フランス:

ナポレオン1世は北米に亡命、フランス本国は政変と財政難で常備軍が縮小

→ 対外強硬政策どころではない

• イギリス:

北米で南北緊張が高まり、反乱予備軍を抑えるため軍を本土に確保

→ 外征余力が半減

このため「聖地問題」が起こっても、欧州列強は積極介入できない。

● 3) ロシアが誤算した要素

欧州の無干渉に乗じ、ロシアは大胆に「オスマンへの直接圧力」を選ぶ

→ これが戦争勃発の決定打となる。

---

◆ 2. 戦争開始:オスマン帝国が単独でロシアに宣戦布告(1853)

史実では英仏が強く後押ししてオスマンが開戦したが、この世界では…

• フランスが不介入

• 英国が警告のみ

• オーストリアも国内反乱で動けない

つまりオスマン帝国は援軍を期待できないまま開戦する形になってしまう。

---

◆ 3. 開戦初期:ロシア陸軍がバルカン方面で圧倒(1853〜1854)

● ロシア軍の行動

• ドナウ公国モルダヴィア・ワラキアを事実上占領

• プルート川以南へ前進

• 黒海艦隊がオスマン艦隊をシノープ沖で撃破(史実同様)

しかしこの世界では、英仏艦隊が救援に来ないため、シノープの衝撃は小さ

い。

● オスマン側の敗勢

• ニコラエフ要塞陥落

• カフカス方面でロシアがカルス包囲

• バルカンのキリスト教徒が親ロ蜂起

ロシアは、史実以上に迅速に黒海北岸を掌握。

---

◆ 4. 英仏の遅すぎる介入(1855)

● 介入が遅れた理由

• イギリス:北米での植民地不安に兵力を割かれていた

• フランス:本国軍縮で遠征軍が準備できない

• プロイセン:中立

• オーストリア:1848年革命の後遺症で行動不能

結果として、英仏は史実のように圧倒的軍を送れず、

縮小された遠征軍(各2〜3万)を黒海に派遣するのみ。

● セヴァストポリでの戦いの変化

史実:一年以上の大包囲戦でロシア黒海艦隊壊滅

この世界:

• 包囲軍が少ない

• ロシアはコーカサス戦線から兵力を増強可能

• 道路・輸送改善により補給が改善

→ 包囲は成立せず、膠着へ

● 欧州での空気

戦費の高騰と人的損害が増えないわりに効果も出ないため、

英仏は「手を引くべき」との世論が強まる。

---

◆ 5. 和平交渉:パリ条約(1858)

史実の1856年と比べ2年遅れ、内容も大きく違う。

● 主な内容(この世界版パリ条約)

1. 黒海の非武装化は行われない

→ ロシアは黒海艦隊を維持

2. ドナウ公国は名目上オスマン宗主権下だが、ロシアの保護権を大幅に拡大

3. カルスはロシアが保持

4. バルカンのキリスト教徒保護権がロシアに承認される

5. オスマン帝国はロシアに賠償金

● 結果

ロシアは黒海方面でほぼ勝利し、

史実より強力なバルカン支配体制が確立する。

---

◆ 6. この世界のクリミア戦争がもたらした影響

---

■ ロシア

• 不凍港の維持に成功

• バルカンでの優越確立

• 「ヨーロッパの警察官」を自認し始める

---

■ オスマン帝国

• 財政破綻が加速

• 「東方問題」が深刻化

• バルカン反乱を抑えられず内部崩壊が早まる

---

■ イギリス

• 兵力不足が露呈

• 北米自治領への統治強化を検討

• ロシアとのグレート・ゲームで不利

---

■ フランス

• 対外政策の威信が崩壊

• 第二帝政の成立が遅れる

• ナポレオン派の「北米亡命帝国」への移住が増

---

■ 日本連邦・新海国

• ロシアの南下が強まるため、朝鮮の緩衝化・樺太の軍備増強などを急ぐ

• ロシア=最大の潜在敵として警戒心が急上昇

---

◆ 7. この後に予想される大きな流れ

1. ロシアのバルカン勝利が引き金となり、1870年代以降のバルカン戦争が

早まる

2. プロイセン主導のドイツ統一が進み、露独対立が強まる

3. 日本連邦 vs ロシアの「朝鮮戦争」発生が確実となる

4. 清朝の改革(洋務運動)が史実より早期化

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ