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幕間 海上の厄災

 一夜が明けた。師匠からお小遣いをあまりもらっていなかったため、いい宿には泊まれなかった。ひとまず宿の外に出てきた。祭りは長い期間行われるようで、街の飾り付けは取られていなかった。

 俺たちはルミーの飛行船に戻った。ルミーが地図を確認しながら言った。

「次は…ファルカダイン島だっけ?」

 クルハがアトリアに言われたことを思い出して頷いた。

「うん。」

 ファルカダイン島。鉱業によって栄えた鋼鉄の街。淡海の南西にあるため、メタルエンパイアとの貿易も盛んで、メタルエンパイアの影響を色濃く受けている。

 俺たち一行が乗る飛行船はファルカダイン島に向けて出発した。ルミーが俺たちに地図を見せながら言った。

「今回のルートはこんな感じで淡海の真ん中を突っ切る方法で行くつもりだよ!」

 淡海のちょうど真ん中あたりに来たあたりで雲行きが怪しくなってきた。

「雨が来るよ。」

 ミアが言った通り、あたりはたちまち嵐になった。強い風により飛行船が大きく揺れる。

「うわあああああ!」

 ルミーが操舵輪を握りながら飛ばされそうになる。クルハが慌ててルミーの手を掴んだ。

「ルミーさん!」

「ちくしょー!空中だと風の影響を受けやすい!着水しよう!」

 飛行船には通常の船のモードもあるようだった。歯車の音がなり始め、ゆっくりと高度が下がっていく。

「もっと効率のいい方法ないのかよ⁉︎」

「ロマンだよ!ロマン!」

 やがて飛行船は着水した。先ほどまでガス袋だったものが帆に変形した。帆が風の影響を受けて船が強く押し出された。ミアが帆を見て声を張り上げた。

「帆をたたんで!」

 クルハと俺が帆をたたむ。遠くでは雷の音がする。

「なんで突然天気が変わったんですかね…。」

 クルハがそういいながら空を見上げる。

「あれ何?」

 ミアが望遠鏡を覗いて言った。俺たちも望遠鏡で見た。

「ゆーれー船です!」

 クルハが慌てた。

「この辺りでは有名なんですよ!淡海の中央には災いの呪いがあって!呪いで人が幽霊になるっていう…。」

 俺が大砲を用意した。

「食らえ!」

 幽霊船に弾丸が直撃した。幽霊船は何事もなかったかのように迫ってくる。そして、幽霊船に乗った幽霊たちが船に乗り込んできた。

「タスケテ…タスケテ…」

「ヒイッ!」

 ルミーは操舵輪から手を放し逃げ出した。

「お陀仏!」

 ミアが幽霊に物理攻撃。幽霊だから死なないんじゃ…。

「アアアアア!」

 幽霊は灰になって消えた。物理攻撃もありなのかよ。

 幽霊船が俺たちの船に直撃した。マストが折れた。

「私の船がー!」

 海上の災いはこれにとどまらなかった。飛行船に変形する機械の場所に雷が落ち、幽霊たちは船に火をつけ、船底には穴が開けられた。クルハが木材と金槌を持って船底に入っていった。

「修理は任せてください!」

 幸い雨が降っていたので、火はすぐに消えた。機械に雷が落ちたため、飛行船形態に戻ることができない。俺は船の倉庫からとあるものを取り出した。そして火をつけて幽霊船に向けて投げた。

「爆ぜろ!」

 トリニトロトルエン…要するに爆薬だ。風の影響を受けて爆薬は俺たちの船と幽霊船の間のところで爆発した。幽霊船は赤い火

を上げて消えていった。こちらの船は爆発により砕け散った。そこからは覚えていない。

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