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久遠の回廊にて
注意
この作品はチャーキーの作った作品、ランダムワールドをもとにして作った作品です。ここに登場するキャラの一部は本編で後々登場させます。先に書いときますが、主人公の名前は「竜」です。
鐘の音がただただ響いていた。鐘の音は人々の悲しみの声で満ちていた。海に沈められた文明が終わりを嘆くように。
終焉を迎えた宮殿の廊下を歩く足音が聞こえた。前も後ろも一人だ。独りだ。孤りだ。足音が波紋となって城全体を響かせる。
その音が突然止まった。城はあっという間に沈黙に包まれた。足音の主はため息をつき、そして呟いた。
「一度あの地に行く必要があるな。」
しばらく何かを探るような音が聞こえた後にまた足音が鳴り始めた。その足音は先程の鐘の音と対照的に、怒りがこもっているようにも捉えることが可能だった。足音はやがて遠ざかっていき、そして聞こえなくなった。