第20話ー④
「今日は一段と賑やかだなぁ。」
「お、音露おはよ。」
そんな話をしてると音露がやってきた。
いつの間に来たんだ?
「あ、これ、音露君の、分の。」
「お、ありがと。」
音露は空優からクッキーを受け取る。
そして、俺の席の目の前の黒板前の少し高くなったところに腰を下ろした。
「じゃあ、私も渡そっかな。」
「あぁ、控えめにね?」
「ははっ、悪名轟いてるなぁ。」
「悪名ってなによ?私のバレンタインチョコをどうゆう認識なのよ。」
まぁ、過大表現なのはわかってるけど、何となくね。
「まぁ、いいわよ。月輝君には散々言われたしね。」
「そんな風に言われましても……」
俺にそんなことを言いながら、自分の机からチョコを持ってきた、と思う。
思うってのは、保冷袋に入れてきたからだ。しっかりしてんなぁ。
「はい、どうぞ。」
「ありがと。中身はぁ〜」
そう言って、保冷袋を少し開けて中を覗く。
「うわ、これって見た事ある。」
「どれどれ。あー、なんか見たことあるやつだぁ。」
口には出さなかったがこれって高いとこだったような……
美桜菜って、実は一般家庭の人間らしいんだけどなぁ。叔父と一緒にいることが多いだけで。
これでこんだけ感覚おかしいんだからどうゆう事だって感じだけどな。でもまぁ、家より叔父上のとこにいる方が多い、ってよく言ってるしな。
「でもさ、音露には直接渡せなくて、俺には郵送だろ?あれ以上?」
「まぁ、日頃のお礼とか色々込めているもの。といっても、それよりも前回言われたからなのだけどね。」
「有言実行、ね。」
そんなこと実行しなくても……と思わなくはないが。
まぁ、大人しく楽しみにして待ってるのが賢い判断かな。
「あっ、そういえば、美桜菜ちゃん。これ、どうぞ。」
「あら、私にもくれるの?ありがとう。はい、私もあるのよ。空優ちゃんの分。」
「わぁ、ありがとう、ござい、ます。」
空優と美桜菜がお互いに交換しあってる。
「おはよう。皆。」
「おー、おはよ。」
「おはよう、ござい、ます。」
そんなことをしてると、悠華が登校してきた。
早速、美桜菜と空優から貰っている。
ちなみに、さっきまでのやり取りにいなかったから美桜菜からのチョコを驚いていた。そりゃそうだ。
「じゃあ私からも皆に。といっても、美桜菜ちゃんの後だとなんか弱く見えちゃうけど。」
「あらごめんなさいね。でも、気にしなくて良いのに。」
「ま、まぁ、どちらの気持ちも、わかる、ってことで。」
「同感。」
美桜菜の後はなんだって気まずくなるよ。
でも、普通にこのトリュフチョコもおいしそうだけどね。というか俺はまだ貰ってないし。
だから俺だけは順番だけで言ったら全然後じゃないけどね。
「皆浮かれてる感じかなぁ。」
「じゃね?僕もそんな空気うっすら感じるし。」
そう、なのか?俺には全然分からないが。
まぁ、なんだ。そうゆうのがあるのは流石の俺もわかるけど。
「そもそも、この学年って、どれくらい交際してる人いるのかしら?天ちゃんと水ちゃんぐらいしか知らないのだけど。」
「俺も同じくだな。音露とか詳しい?」
「なんで僕?うーん……それっぽい噂?見たいのは何人かのは聞いたことあるけど、確定は無いかなぁ。」
「私も、知らない、ですね。」
「私は転校生だから分からなーい。」
まぁ、てことはあれかな。そもそも、いないのかな?まぁ、噂があったってことは疑わしいのはあったってことだけど。
でもなぁ、男女2人きりでいるだけで、変に噂するやつは結構いる世の中だし、噂も俺的にはあんまり信じれないけど。
「まぁ、これが現実よね。」
「です、ね。そう簡単には、ってことですよね。」
「ま、でも去年は月輝と美桜菜も該当してたけどな。」
うわ、急にこっち来た。
ま、まぁ、そう言わればそれもそう、か……
「でも、去年の終わりぐらいから、聞かれたら、別れた、って言ってるのだけど未だに付き合ってるって思ってる人もいるらしいわよ。」
「うげ……まじかよ。まもなく1年だぞ。……ってそんなになるのか?」
「そういえばそうね。」
うわ、気づかなかった。
いい意味だけど、美桜菜といると濃い体験結構したから早く感じるわ。
えっ、まもなく知り合って2年?嘘だろ?えぐいなぁ。
「うふふ。まぁ、月輝君も、皆も来年度もよろしくね、ってことで。」
「上手くまとめたわねぇ〜……」
美桜菜の発言に関心したような声を皆があげて、時間もちょうど良かったので、それぞれの席に戻った。
ちなみに、美桜菜のチョコは皆に送ってるのと同じものだったが、日花光の分も含まれてた。
結構な金額じゃないかと、考えずにはいられなかった。




