第18話ー②
バイトを終えて帰り支度をする。
着替えを終え、更衣室を出ると莉未が待っていた。
「お、待ってたのか。」
「一緒に帰りたくて。途中まででも。」
「じゃ、一緒に行こか。」
まぁ別に一緒に帰るのは問題ないし、いつもの事だけど。
いつもだいたい駅まで一緒に行ってる。懐いてくれてると思うと嬉しいねぇ。
「今日も人来ましたねぇ。」
「まぁ、でも平日の夕方だから。少ないだろうよ。」
「それはそうですね。お昼がやっぱり……」
「そりゃなぁ。」
でも今日も夜が近くなってくると流石に人が多くなって来た感じだったな。
みーんなクリスマスは出かけるんかねぇ。楽しそうなこって。
でもまぁ、別に嫉妬とかの感情はなーんにも無いけど。
「でも、都会の方に行くとイルミネーションとかも多くって綺麗ですよね。」
「狐遊市とかは凄いって聞くな。毎年。」
「ですね。遥真先輩と見に行きたかったです。」
イルミネーションなぁ。まともに見ようと思って見たことないなぁ。
綺麗は綺麗だけど。それで?感があってね。そんなことを言っちゃあいけないんだろうが。
「来年かなぁ。受験あるから分からないけど。皆で一緒に見に行こっか。」
「それもいいんですけど………」
そう言って少し言い淀む。
どうしたのか聞くと、少し言いずらそうにした後に、こっちに顔を向けて、
「デートしたいなぁ、って。2人で。」
と言った。
うーんまぁそんなこと言われるとはなぁ。
でもまぁ、あんまり外で遊んだことないしなぁ。2人では。
「でも来年になるぞ?」
「全然大丈夫です。あっ、でも。一応そういう意味じゃないです、よ?」
「はは、気にしなくていいよ。それぐらい。デートなんて言ってくれてありがと。」
そう言って莉未の頭を撫でる。
嬉しそうな顔をしつつこっちに笑顔を向ける。
「それに遥真先輩は私を妹程度の認識で扱ってますしね。」
「むしろそれ以外あるかよ。少なくとも妹とか弟とかそう思ってる奴にしかこんな風には扱わないよ。言い方あれだけど。」
「うふふ。それでも嬉しいです。」
まぁ、なんで莉未にこんな扱い方になってるのかはちょっと分からないけど。
それでも大切に思ってるのだけはほんとだけどな。
「もう駅に着いちゃいましたね。」
「早いなぁ。」
「です、ね。」
なんかバイトに着く時も似たようなこと言ったよなぁ。
でももう、7時だし帰らないとだな。
「ですよね。早く帰らないとですねもんね。」
「まぁでも。ほら、冬休みもバイトで会えるし。」
「まぁ、確かに。それはみんなよりも勝てるポイントですね。」
「勝てる……?」
ちょっとドヤ顔気味に笑顔で言うものだからその発言に疑問を覚える。
ま、まぁ嬉しそうならそれで、って感じかなぁ。
「じゃあ、そろそろ帰りますね。まもなく電車も来ますし。また明日、ですよね?」
「うん、明日も来るよ。」
「そっか。じゃあまた明日ですね。」
「そうだな。」
また明日と挨拶して、莉未は駅の中に入っていった。
さてと、俺も帰るかな。夕飯の材料は買ってあるし、そこは気にせず帰れるな。
「もう少しで今年も終わりかぁ。」
夜空を見上げてそんなことを呟く。
なんだかんだ早かったなぁ。色んな出会いもあったし。何かが動いたって言うのか?そんな気もしなくはない。
でもまぁ、俺が変わることはないだろうな。変わるとも思わないし。
ま、さっさと帰って夕飯作るかぁ。日花光が待ってるし。
そんなこんなで家に着き、扉を開ける。
「ただいまぁ。」
「おかえり、お兄ちゃん。」
俺の帰りを知った日花光が急ぎ足でこっちにやってくる。
「おつかれさま〜。」
「ありがと〜。」
軽く日花光の頭を撫でて、2階に行く。自室に荷物を置いて、下に戻る。
キッチンで手を洗い、夕食の準備をする。
「お兄ちゃん、今日は何?」
「肉じゃがとぉ、レタスとささみのサラダ。後、卵スープ。」
「じゃあ、サラダ用意する?」
「ん〜、まずはお皿とか出してくれる?」
「わかったぁ。」
そう言って、食器棚から必要な食器類を用意する。
俺はその間に肉じゃがと卵スープの準備をする。と言っても、肉じゃがの下準備とかは済ませてあるんだけど。
「お兄ちゃん、今日もお店大変だった?」
「うん、いっぱい人来たよぉ。」
「さっすがぁ。」
そんな話をしながら夕飯の準備をして、出来たものから日花光に持ってって貰う。
出来たものを食卓に並べ終わったので、俺もご飯を持って席に座る。
「よしじゃあ、食べるかぁ。」
「うん。」
「「いただきます。」」
と、一緒に言って夕飯を食べる。
明日は、日花光のクリスマスプレゼント買ってこないとなぁ。その後バイトかぁ。大忙しだなぁ。こりゃあ。




