第18話ー①
修学旅行から数週間後、12月も後半。二学期の修了式。
「終わった、終わった。流石にこの時期の体育館は寒いねぇ。ただ、話聞いてるだけとかきついよー。」
「だよなぁ〜。」
そんなことを修了式終わりの教室まで戻る廊下で、音露と悠華が話す。
まぁなぁ。それは共感できる。こっちは雪はあまり降らない方だけど寒いからなぁ。
教室に着き、先生の話を聞く。それが終わると、今日は終わりだ。
「さぁーてと帰るかぁ〜。」
「です、ね。」
そそくさと帰り支度をして教室を出る準備をする。
今日はこの後はアルバイトだ。とりあえず、莉未を迎えに行くか。
「あー、待ってよ〜」
教室を出て行こうとすると、悠華が引き止める。
結局皆で教室を出ることにした。
「よっす〜。」
「あ、遥真先輩。皆さんも。」
「バイト行くぞ〜。」
「はーい。」
そう言って荷物を持ってパタパタと教室を出てくる。
「そういえばさ皆ってクリスマスの予定ってあるの?」
「何、突然。無いけど。」
急な、悠華からの疑問に音露がそう淡々と答える。
でも、確かに唐突だな。俺も……なんかあったかなぁ?
「どうしたん……ですか?」
「いやなんとなくさ。」
なんとなくって……別になんでもいいけどさ。
でも、突然聞いてきたってことはなんかやりたかったのかね。
それを素直に聞いてみる。
「んー、そうゆう訳じゃないけど……ほんとに気になって。」
「……クリスマスは叔父上と叔父上の会社の役員とランチよ。」
「うわぁー、大変そ〜。」
「うふふ。ただのランチよ。」
笑いながら美桜菜は言うがそのメンツは、ただの、じゃないだろ。そう思ったが何も言わないことにした。
「皆は?」
「僕は、特にないかな?もしかしたら経杜と遊ぶかもだけど。」
「私は、無いです、けど。」
「私は、バイトを入れてるので。」
「そっかぁ。」
「俺は、日花光と過ごすからね。」
「そっかぁ。」
皆、色々あるんだねぇ。俺なんかはあると言えばあるし、無いと言えば無いみたいな予定だからなぁ。
それこそ、俺はサンタクロースをしなくちゃあいけない。
「皆さん、何かしら、あるんです、ね。私は、何も無い、ですけど。」
「ね〜。私も無いよ〜。」
「僕もまだ分からないよ。」
そんな話をしながら、俺らは学校を出てそれぞれに別れた。
俺は莉未と一緒にアルベロに向かう。
「にしても莉未はクリスマスもバイト入れてるんだな。」
「当たり前ですけど、忙しいですからね。」
「あの時期はなぁ。俺も本当は入れてなかったんだけど。昼から夕方の短期で入れようかなぁって思ってるんだよね。頼まれてるし。」
「キッチンもフロアも両方頼られてますしね。」
「ね。なんでだろうな。」
まだ、2年目なのにね。ほんとに。
でもほんとにイベント時は大変だからなぁ。
ハロウィンの時も人来たからなぁ。大忙しだった。
「去年も凄かったぞ〜。」
「今年のハロウィンぐらいですか?」
「あんな比じゃないな。てんやわんやだった。」
「うへぇ〜。覚悟しないとなぁ。」
「うん、覚悟しときなぁ。」
本当に忙しいからな。まあ飲食店、というかサービス業だし仕方ない事柄だとは思うけど。
だんだん普通の時でも人増えてきてるからなぁ。
知名度が増えてきてるってことなんだろうけどさ。喜ばしいことなんだけど、ね。
「クリスマス、ってなんだかんだあんまりいい思い出ないですね。」
「そうなのか?まぁ、俺に関しては良いも悪いもないけど。」
「本当に欲しい物なんて貰えなかったし、言えなかったですから。」
「あーね。仕方ないわな。だとしたら。」
そうゆう話だったらなぁ。
でも確かに俺なんかは特に何も無いからなぁ。
小さい頃はそれこそ、クリスマスのチキンとかケーキ。プレゼントとかが嬉しかったのはうっすら記憶にあるぐらいだけど。
「クリスマス会とかは少し憧れます。」
「じゃあちょっとずれるけどやるかぁ?」
「あー、クリスマスからですか?ズレるって。」
「そうそう。イブも当日も会えそうにないし。」
「それはですね。」
空優と悠華は大丈夫そうだったけど。美桜菜は確定で無理だし。
いや、その後年末年始に入るとしたらきついか?
「ですね。仕方ないです。」
「まぁな。でも、なんだ今度なんかの機会でな。」
「……はい!!」
そう言って嬉しそうに笑った。
そういう反応されちゃうとなんかしてあげなきゃな。
「お、もう着いた。」
「遥真先輩と話ながらだとすぐですね。」
「切り替えて仕事頑張るかぁ。」
「ですね。」
俺らは、裏のスタッフ入口より入っていった。
というか今日も忙しいだろうなぁ。クリスマス前だし。
そういったことに気づきつつ言わないことにした。
さぁーて頑張るかぁ。




