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僕らの青春は苦悩から  作者: 好音 コルヴォ
高校2年二学期
59/83

第15話ー②

「き、ーき、つーき。起きなって。起きろ。」

「ん?んえ?あぁ………」


 耳元で呼ばれる声がして、目を開けると超至近距離に音露の顔があり、少しびっくりした。

 なんでこんな眠いだろう。はぁ、まぁいいや。起こされたってことはまもなく着くってことだ。起きるかぁ。

 体を伸ばして、外を見る。もう外は、見たことの無い景色が広がっていた。


「おはよ。」

「おはよう、ございます。」

「おはよう。」


 伸びをしたので起きたのに気づいたのか、後ろから悠華と空優。前から美桜菜が話しかけてきた。

 ていうか美桜菜はなぜパソコンを………


「ちゃんと先生に許可は貰ったわ。こうゆう時間も勉強に使ってこそでしょ。」

「後なんかの参考書も持ってたよな?僕見たよぉ。」

「あぁ、簿記の参考書よ。来年の2月が試験だからね。というか、覗き見とはいい趣味ね。」

「な、違うよ。隣が爆睡してて暇なんだもん。後ろは割り込めないぐらいの女子トークしてるし……」

「あはは、ごめんね。忘れてたわ。」

「俺も爆睡してたからなぁ。」


 にしてもなんでこんなにも眠いんだろうなぁ。なんだったら、寝すぎて眠いとかいう、よくわかんないことになってるかもしれない。

 ふと、新幹線内の電光掲示板を見ると次は京都駅とある。全然行きは景色見てないし、帰りは起きてられるといいなぁ。無理だと思うけど。


「よーし、皆。そろそろ降りる支度をしろー。」


 そう学年主任の声があり、皆がざわざわと動き始める。こちらも音露が立ち上がり、上にある俺と自分の荷物を取る。


「ほら、月輝の。」

「さんきゅ。」


 受け取って、準備をするとそのあと新幹線が停止した。着いたか。

 学年主任の合図で順番に席を立ち、新幹線を降りる。

 ここから、昼食会場に行って、そのあと清水寺。そんでホテルだったか。


「こっからはバスだっけ?」

「そうです、ね。」


 京都駅を出てバス停に向かう。バスは学校と同じ席にということで俺らは後ろに座れた。


「また、月輝君はおねんねするのかしら?」


 そう、美桜菜がおどけるように弄って来る。流石に寝ないよ。ここまで来て。

 バスに乗って、前回と同じ席で座る。

 バスが進み出すと見たことも無い景色が流れてゆく。


「こうゆうの、旅行、って感じ、です、ね。」

「だなぁ。」

「うんうん。僕もわくわくする。」


 まぁなぁ。言ってることはわかる。知らないとこって感じもするし。

 バスは市内を進み、しばらくすると1件の京料理の店に着いた。

 中に入り、2階のお座敷に通される。そして席は、これまで通り班ごとだ。

 隣は、音露。対面に女性陣だ。


「どんなのが来るか楽しみだねぇ。」

「んまあ、それはそうだな。」


 その場所特有の、というのは普通に楽しみだ。


「私も楽しみよ?この店は来たことないもの。どんな料理か、味はどうか。ね?楽しみじゃない?」

「そんな視点で見てるのは美桜菜ちゃんだけだよぉ。」

「うんうん。悠華の言う通り。」

「悠華ちゃんも月輝も酷くない?」

「「酷くない」」


 思わず、悠華とハモってしまった。でも実際そうだろ。食べなれてる、ってやつなのはわかるが。なかなかそんな楽しみ方するのはいないと思うけど。

 そんなことを話していると、料理が運ばれてきた。

 湯豆腐に、かぼちゃと海老の天ぷら。具は麸だけのお吸い物。そして白米。

 美味しそうだが、正直この年代だと人を選びそうだ。もちろん俺は好きな方だが。

 ちらっと周りを見るとやはり、賛否両論って感じではあるらしい。

 全員に食事が出されると、それぞれが挨拶をして、食べ始めた。


「ふぅ……この湯豆腐、美味しい………」


 そうため息混じりの声が隣から聞こえてくる。

 夏休みの時に、美桜菜の叔父さんの別荘行った時に、たまに思ってたが、所作が綺麗だよな。

 いつもって訳じゃなくて、こうゆう豪華だったり上品な料理を食べる時に限ったことだが。

 正面の美桜菜と比べてもそこまで遜色ないように思う。素人目だが。ただ、美桜菜の方が洗練されている気はするが。


「この塩美味しいな。欲しいかも。」

「いやどうゆう感想?」


 素直に思ったままの感想を呟いたら悠華に突っ込まれてしまった。

 そんな感じで1時間ほどの昼食を終えると、またバスに乗って移動になる。

 清水寺では、先生がランダムで作った班で行動する。なんで、自由行動の班じゃないのかは分からないが。

 バスの座席というか位置はもちろん今までと同じだ。


「美味しかったな。」

「だなぁ。僕もあの湯豆腐は虜になっちゃいそうだよ。」

「お吸い物も、美味しかった、です。」


 俺らには京料理は大絶賛だった。

 別に薄口が好きとかではないが、食べれなくは無い。美味しいとは思う。そんな感じだ。


「で?美桜菜ちゃんのお眼鏡には叶った?」

「言い方……まぁ、美味しかったわよ?どれも丁寧な味だったわ。十分満足できる味じゃないかしら。」

「おお……」

「いやいや、ちょっと社交辞令入れたろ。」

「あらバレた?」

「バレた。」


 美桜菜はおどけてちろっと舌を出し、てへぺろといったような顔をした。

 
















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