第15話ー①
「ふぁーふ、だるぅい。」
今日は、修学旅行当日。学校でそこから、狐遊市の駅に向かう。京都行きの新幹線が出ているのがここだけだからな。
にしても久しぶりに行くなぁ。久しぶりといっても、今年の夏休み以来だけど。
あー、眠い。朝の集合はぇよ。5時て。仕方ないけど。
日花光の朝食は置いてきたし、昼は給食、夜からはおばあちゃんが来るから大丈夫。バイトもちゃんと休み取った。うん、大丈夫だな。
そんな確認をしつつ、学校に着いた。1階のフリースペース集合なので中に入る。もう既に割と多くの人が集まっていた。
周りを見ると、空優と音露が話していた。珍しい組み合わせ。とりあえず、その2人以外は来てないようだ。
「よっす、おはよう。」
「おはよ〜」
「おはよう、ござい、ます。」
「珍しい組み合わせだが、何話してんだ。」
「ん〜、明日の予定?流れ?」
「気が早くない?」
「なんとなく、です。自然と。」
「なるほど、ね。」
まぁ、準備は大事だな。俺もその中に混ざって話をする。
そのまま行けるかどうかや、行けたらここも行こうなど。気が早いといえば早いが。
そんなことを話していると美桜菜がやってきた。
「おはよう。」
「おはよ〜。」
「おはよう、ござい、ます。」
「おはよ、美桜菜。」
そんな挨拶をしながら、俺らのところに美桜菜が来る。
「なんの話をしていたの?」
「ちょこっと明日のことを。」
「あら、準備万端ね。」
「浮かれてんだろ。」
「わーお、辛辣〜。」
だって、浮かれてなかったらそんなうきうきで明日の日程確認しないだろ。
俺は、なるようにしかならないと思ってるからなぁ。ま、計画立てはあってもいいけどがっちりしても苦しいだけだろ。
「にしても、悠華ちゃん、遅いわね。こうゆうのは誰よりも早く来ることが多いのに。」
「言われてみれば、そう、です、ね。」
そんなことを言ってると、噂をすればなんとやら、悠華が入ってきた。集合時間3分前。かなりギリギリだな。
「あはは、ちょっと集合時間間違っちゃった。気づいて慌てて出てきたの。」
「おいおいおい、あぶねぇなぁ。」
「たしかに。よく間に合ったな。」
「ほんとに。私もびっくり。」
びっくりじゃないよ。普通に危ないだろ。
そんなことを言ってるとすぐに先生が入ってきて、様々な説明をされた後に、バスに乗り、駅に向かう。
座席はなるべく班順。後は、早い者勝ちだ。
音露と悠華の迅速な行動で、俺らはバスの1番後ろに陣取ることになった。
俺が右、美桜菜が左で両端に、俺の隣は悠華。1番遅く来た空優が真ん中になった。
「ふぁー、眠い……」
「んー、わかる。早かったもんねぇ。」
「そ。新幹線中では寝ようかなぁ。」
「え〜、喋ろうよ。僕が話しかけ続けて起こしてあげる。」
「やだ。寝る。」
ったく。こっちはちゃんと眠いんだから。諸々の家の準備というか、なんというかがあるから3時半には起きたし。
そういえば、朝飯まだだったなぁ。買う?いや、寝ればいいだろ。着いたら、お昼だ。
「私も、少し、遠い、ので、朝、早くて、眠い、です。」
「あー、空優はそうか。」
「音露はどう?」
「僕?僕は親の車で来たから。」
「そうなんだ。」
「美桜菜はどうなの?」
「普通に自力よ?うちの親が送ってくれるはずないじゃない。叔父上じゃないのだから。」
「それもそっかぁ。」
俺も美桜菜の家族についてはよく知らないが、聞く感じじゃそこまでいい両親じゃない。どっちかと言うと、叔父さんの方が親って感じだしな。
まぁ、他人の家族どうこうには基本的には干渉しない方がいい。そうゆうのは他人が関わるもんじゃない。
外をぼーと眺めながらそんなことを考える。
「1時間、ぐらい、です、よね。」
「ん?だな。そっから新幹線乗ってだねぇ。」
「どきどき、です。」
「だねぇ。僕もドッキドキだよぉ。」
そんな音露と空優という珍しい組み合わせの会話が聞こえて来る中で次第に意識は薄れ、俺はまどろみの中に落ちていった。
「……ら、……ほら、起きて。起きて、月輝。」
「……ん〜あぁ。…………あぁ。寝てた、のかぁ。」
深い眠りから引きずり出された俺は、寝ぼけまなこを擦りながら、狭いバス内でできる範囲の伸びをする。
「着いた?」
「まもなく。皆、降りる支度してるよ?」
「おぉー、そっかぁ。ありがと。」
降りる支度をしながら、目を開ける。あー、眠い。なんでこんな眠いんだろう。昨日だって、いつも通り10時には寝たんだけどなぁ。寝れなかった訳でもないし。
バスを降り、駅内に入る。そこでグループごとに集合し、先生の説明、特に新幹線の座席と降りた後の行動についての説明が入る。
それから俺らはぞろぞろと新幹線に乗る。俺の隣は音露だ。まぁ、まだ眠いから寝るけど。
「ふぁーふ………あぁ。」
「ふふ。またあくびしてる。今日は多いわね。」
「生理現象だ。」
「それはそうね。」
新幹線に乗り、指定の座席に座り、数分すると発車の合図があり、新幹線が進み出した。
俺は、数分は起きていられたがすぐに眠気がやってきたので真後ろの空優に許可を取り、少し座席を倒して眠りについた。




