第14話ー③
土曜日、駅には9時集合になった。当日、早めの行動ということで向かうが正直言って、俺とか、音露もか。駅から行く方が遠回りではある。が、仕方ない。
駅に着くと、一番乗りだったのでスマホを見ながら待つ。程なくして、音露と美桜菜が同じくらいにやってきた。
「よーっす。」
「ん。」
「おはよ。」
音露は元気そうだが、美桜菜はどこか疲れたような顔で、おはよ、と言う。
ほんとに大丈夫か、こいつ。
「大丈夫よ。顔に出るくまとかは隠したけど。雰囲気とかにでるのかしら?もう取れなくなったのよね、多分。」
「ったく。ある意味いつも通りか。」
自粛してこれだと、今から心配になるよ。ほんとに。
本人が問題ないと言うので俺らは後は何も言うまい。
「いやー、今からすっっごく楽しみだよ。」
「ま、音露提案だからな。」
「そう。僕の提案が通るなんて驚き。」
「おめでと。」
そんな雑談をしていると、駅の方から空優がやってきた。
「おはよう、ござい、ます。」
「おはよ。」
「よっすー。」
「おはよう。」
挨拶を交わし、空優が合流した。
後は悠華だけか。集まる家の人がまだ来てない、ってね。
「そういえば、皆は、何か、考えて、きました、か。」
「ん〜、ま、僕はちょこちょこサイトとかは見たかな。」
「俺は全然。」
「私も。というよりもそんな余裕なかったわ。」
まー、美桜菜はなぁ。あの忙しさでそこまで手が回る方が凄いだろ。
俺?俺は普通にサボってた。というかそこまで真剣でもなかったとも言うが。
「まぁ、皆で、話し合う、のが、目的、ですから。」
「だな。」
そんなことを話していると悠華がやってきた。
挨拶をしっかりと交し、家に向かう。
「じゃ、行こっか。」
「そういえば、お家の人はいるのかしら?」
「いや、いないよ。お仕事で。」
「許可は貰ってるの?」
「流石に貰ってるよ。」
美桜菜がそんな確認をする。ま、親が家に仕事でいないと言っても許可は大事だからな。
こうやって大人数で人の家に行くという体験をすることがあるとはなぁ。
「そういえば、お昼はどうするのかしら?」
「えー、確かにぃ。コンビニ近くないしなぁ……」
「そりゃあ、しくったねぇ。」
お昼超える予定なのか。ま、今日は土曜日だから、おばあちゃん来てるから日花光のことは気にしなくても大丈夫だけど。
でも、お昼か……確かにこの辺りは住宅街だからなぁ。コンビニは駅側だ。音露の言う通り、しくった、ね。
「うーん………じゃあ、食材あったはずだし、作る?月輝が。」
「俺かよ………他人の家の物使って作るの抵抗あるんだけど……悠華がやれば?」
「やってもいいけど、命の保証はしないよ?」
「「「「は??」」」」
その発言に4人の声がユニゾンした。
当の本人は、何で驚かれてるのか分からないのか、きょとん、とした顔をしている。
いや、前に家事はできる方だって言ってた気が………
「ん〜、料理以外は、ね。味も見た目も人の食うものでは無いって言うのが私の料理を見たことある人の総意。」
「なに?ダークマター作っちゃう系?」
「あんなよくわかんない煙出したり毒々しくなりはしないけど、原形は留めないかな?」
「意外、です。」
「そ?ギャップよ。ギャップ。」
ギャップ、っねぇ。原形留めないってなによ。怖いわ。
「前には、臓物をそのまま炭化させる勢いで焦がした物、って表現されたこともあったっけ。」
「うえっ。なにそれ。現実で再現できうる限りの料理?」
「うん。」
「えぇ………僕は、月輝が作る方に1票………」
おっと。こっちに飛んできたか。ていうか、臓物て。料理に対する表現で聞いたことないぞ。
全員満場一致で俺がどうにかすることにした。ま、本人も警告してるんだ。よっぽどだろ。
「でもまだ、自覚してるだけましか。」
「そうそう。幼少期から言われるから流石にね。」
「筋金入り、です、ね。」
ほんとにな。幼少期って。まじかよ。
そんな衝撃というか、恐怖の事実を知りつつ、俺らは歩いていく。
「でもさ、この人数分って材料あるの?」
「あー、たしかに。どうだろう?聞いてみる?」
そう言うと、スマホで親に連絡し始めた。
だとしても、この人数だろ?普通に時間かかると思うんだよなぁ。
「そうめんだったら死蔵してるから使っていいって。結構あるって言ってた。」
「んーまぁ、それ出す方が楽か。」
そうめんだったらばーって煮て、出せるからな。うん、まさか作ることになろうとは。
「あの、少し、話戻して、悠華ちゃんの、料理に、戻して、いい、です、か?」
「ん?いいけど、そんな気になる?」
「なぜか。はい。」
「で、何聞きたい?」
「えっと、お菓子とかも、駄目、なんです、か?」
「あーだめだめ。粉塵爆発常習犯だもん。」
その発言に近くで聞いてた俺らは思わず笑ってしまった。
粉塵爆発って。それは手順どうなったらできるんだ?不思議でしかない。
「だから私には厨房に立つ許可が降りなくなったの。」
「努力とかではどうにかできんの?」
「無理。」
「おおー、本当に筋金入りかぁ。」
そんな、悠華の料理技術事情の話をしてたら、悠華の家へと俺らは着いていた。




