第13話ー①
あれから、視聴覚室で休んでいると、美桜菜が昼食を届けてくれたり、莉未と音露、あとその友達も来てくれた。てか、正式にはこの視聴覚での飲食禁止だから移動しようとしてたとこなんだがな。
音露の友達の、経杜…だったか。とも、お互い自己紹介を交わし、昼を摂るために食事のために解放されている空き教室に入っていった。
「はぁ〜、うみゃい。体に染みる………」
キンキンに冷えた、オレンジジュースが喉を通り、心地よい。軽食ってことで唐揚げだけ。
こうゆう時、美桜菜の理解力というか対応力の高さを感じる。有難い。
「お疲れ様です。一緒に、って思いましたけど無理そうですね。」
「というか、そろそろキッチン戻ろっかなって。」
「それは、もう少し後でいいんじゃないですか?さっきよりはマシですけど……お顔の調子悪いですよ?」
「そか。じゃ、お言葉に甘えて。」
そう笑顔で教えてくれたが、多分いつもは俺が甘えさせてるから、逆ができて嬉しいんだろうな。
「っと、悪いね。こんな死んでるような時で。」
「いえいえ、気にしないでください。それよりも、これからも音露先輩と仲良くしてあげてください。」
「まっ、言われずとも?かな。」
「経杜は俺の親かよ………」
そうツッコミを入れる音露はとても楽しそうで、微笑ましくなる。
「あっ、じゃあ、そんな仲のいいお二人さんはあれ、行ってきたら?フォトの。」
「あぁ、あそこですね。3年1組の。」
「そ。あそこ……クオリティ高いから混んでるかもだけど、おすすめ。」
実際あそこは色んな形のオブジェがあって楽しく写真が撮れた。莉未も楽しそうだったしな。
経杜も気になっているようなので昨日撮った写真を見せながら紹介する。
「いや、あそこはカップルの集まりみたいなところだろ………」
「………音露先輩は、嫌、ですか?」
「うぐっ………」
そうぶりっ子のように上目遣いで聞かれたもんだから音露も断りづらい顔をする。
俺と莉未は笑いを堪えるのに必死だ。
まぁ、そんな目力光線にポッキリと折れた音露は、
「……はぁ〜、行くか。時間ねぇし、今行くぞ。」
それに対して、ぱっと花開くように笑顔になり、
「…………っはい!」
と力強く答えた。
「んじゃあ、俺は行くから。お大事に。」
「おう。」
「じゃあ、失礼します。」
「いってらっしゃーい。」
2人で笑いを堪えつつ、あっちのペアを送り出す。
「どうなりますかね?」
「何が?」
教室を出た2人を見送った後にそう、莉未が聞いてきた。
「あれ、気づいてませんでした?雫葉先輩はどうか分かりませんけど、少なくとも経杜君は、雫葉先輩が好きですよ。多分。」
「わざわざ言うってことは、ラブの方でか?」
「はい。だから、経杜君には素直ーにカミングアウトしましたし。」
「ふーん。あれで、あいつは恋愛に疎いからなぁ。見た目だけなら、女慣れしてそうなんだけど。」
「ふふ、言い方。まぁ、すぐは無理ですよ。雫葉先輩はライクの方でしょうし。」
「だろうな。」
食べ終わったゴミをゴミ箱に捨て、キッチンに戻ろうとする。
「悪ぃな。回れなくて。」
「いえ、大丈夫です。紅里先輩と回ります。」
「そか。じゃあな。」
「はい。」
莉未とも別れ、すぐ近くの、家庭科室に行く。
中には、空優も含め、3人しかいない。扉を開けて中へと入って行く。
「おつかれ〜。俺居なくて、回ってっか?」
「あ、無事に。少しづつ、忙しくは、なって、ますが。」
「そっか。俺も休憩したし、作るとするよ。」
「助かります。」
手を洗い、調理を開始する。
ついでに周りもサッと見渡したが流石に2日もやっていたので、皆手際がいい。
「今んとこ足んないのは?」
「このペースだと、全部、です、ね。売れ行き好調、です。」
「そうか。」
しばらくすると、引取りの人が来て、料理を持っていく。これで、今作ってるぶんを除くと在庫が無い。それはさして問題ないが。
お昼は思ったよりも、数倍忙しかった。悠華から混み始めているという情報を得ていたが、想像よりも凄かった、と言えるだろう。なにせ、すぐ料理が無くなるのだ。ちょっと本気でレシピ作っちゃったかな?と思った。
そんな忙しいお昼も1時を過ぎると徐々に落ち着いてきた。と言っても俺らは今はもうあと作らなくて良くするようにストックを作っている。
「これで、最後〜。」
「わー!」
「疲れたぁ………」
あれから2人ほどキッチンに戻ってきたが、皆おつかれムードである。まぁ、そりゃそうだが。
「なに、作ってる、の、ですか?」
「お疲れ様サンドウィッチ。終わったら、クラスに配ろうかと。余計なお世話かもしれんが。」
「いえ、喜ぶ、と、思い、ます。」
つっても、余った具を使って同じのを量産するだけの作業なので簡単に作るのは終わった。ラップに包み冷蔵庫に入れておく。
これで、本当に仕事は終了だからあとは自由に、と言って解散にする。
家庭科室から、皆いなくなり、俺と空優だけになった。
「疲れましたね。」
「お疲れ。リーダーは二度とやりたくねぇなぁ。」
「来年も、なんかの、形で、任される、と、思います、よ?」
「クラス替えないからなぁ。」
そんな雑談をしながら、片付け等の最終チェックをした。




