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僕らの青春は苦悩から  作者: 好音 コルヴォ
高校2年二学期
46/83

第12話ー①

 文化祭2日目。9時には一般の人が来る。


「日花光君も、来るんです、か?」

「らしいよ。おばあちゃんと一緒に。と言っても、会う約束はしてないから、会えたらって感じだけど。」

「私も、母が来るって言ってました。」


 一般公開前、家庭科室で準備をしながらそんな話をする。


「今日も凄く人がいるのかな。」

「ですね。一般公開、ですから。」

「それもそうか。」


 今日は、おそらく基本的には家庭科室での作業がメインになるだろうと考えている。

 そうなってくるとシフトとか考えた方がいいのかな。


「おーい、皆。今日はおそらくだが忙しくなる。そっちでシフトを自由に組んでくれ。回りたいだろ?誰かと。」


 作業を一旦中断させ、皆に話し合いの時間を持たせる。何故か、美桜菜にここのリーダー押し付けられたからな。リーダーシップなんかは苦手だが、苦手といっても任されたんだから、こうゆう配慮もしておいた方がいいだろ。


「優しい、ですね。」

「空優も話し合いに混ざってこい。」

「いえ、手伝い、ます。助手、です。」

「はは。じゃあ、お言葉に甘えるか。」


 そう言うと、嬉しいそうに、任されました、と言った。

 まぁ、じゃあ俺らは余裕があれば休むということにしよう。そう決めた。程なくして、皆のシフトも決まり、作業を再開。

 こうして、9時になり、一般の人達が入り始めた。


「おし、休憩の奴らは行っていいぞ。楽しんでこい。」

『はい。』


 とりあえず、最初のシフトの人達を、休憩に向かわせる。いや、最初のシフトの人は休憩、か?まぁ、そんなことはどうでもいい。俺らもいつ足りなくなったなんて言われるか分からないから、準備を再開する。

 こんな感じで大丈夫かなどの相談を受けながら準備を行う。

 しばらくして一旦暇になったので雑談を挟む。


「しばらくは、持ちますかね。」

「第2陣の分も準備してるし、しばらくは大丈夫じゃないか?」

「です、よね。」


 そんなことを話していると、配膳担当が食事を取りに来るというメッセージが来る。

 準備をし、来た人に渡す。この後も準備済みなので、とりあえずまだ大丈夫だと判断する。あんまり、ストック作っても必要なくなると勿体ないしね?


「ねぇねぇ、2人ってさ昨日も2人で回ったの?」


 そう俺らに聞いてきたのは、クラスでどちらかと言えばギャル寄りの子。言っちゃあなんだがこうゆう話好きそうだからな。


「いえ、2人きり、ではない、です。」

「そそ、他の……友達も一緒に回った。」

「へー、そうなんだ。いやー、2人仲良いし、兎幡ちゃん、休憩入れてないかてっきり……」

「そんなこと、ない、です。仲良くは、させてもらって、ますが。」

「そうなんだ、じゃあ、なんかごめんね。」

「いえ、大丈夫、です。」

「ま、男女仲良くしてるとそうゆう誤解するやつなんてよくいるから大丈夫、大丈夫。」


 そんなどうとったらそうなるんだ、な誤解を解いて、質問してきた方も、そっか、と言って去っていった。


「ああいう誤解、する人、いるんです、ね。」

「仕方ないさ。」

「そう、です、ね。」


 こうゆう時に気まずい空気になるのって本当なんだな。

 そんなことを思っていると、バイブがなり、見ると美桜菜から写真が送られてきていた。写っているのは、玄関の人だかり。要は、人がいっぱい来ているってことを伝えたいのだろう。写真の後には、受付中、と付け加えられている。


「なぁ、これ。すっごい人来てるみたいだな。」

「本当、ですね。忙しく、なる、かも。」

「だな。」


 と言ってもまだ、一般公開が始まってから1時間ちょっと経ったぐらいなので、忙しくなるとしても、11時過ぎくらいだろうから、まだ1時間ぐらいはあるし、大丈夫だろう。


「他の奴らは、遊んでんのかな?」

「じゃない、ですか?」

「確か、音露は友達が来るって言ってたな。」

「でした、ね。」


 今、回っているのか、とかどんな子なのか、とか気にならない訳でもないが、今は楽しんでいるだろうし、下手に詮索しない方がいいよな。

 そんな、少しペースを落とし片手間で洗い物などをしながら話をしているとまたスマホのバイブがなり、見ると、莉未からだった。今、遥真先輩のクラスのところでお食事中、というメッセージが送られてきた。そして、その後に悠華……だよな?とのツーショットが送られてきた。


「ほら、莉未も来てるみたい。」

「こうやって、見ると、イケメン、ですね。悠華ちゃん。」

「だよな。衣装とかは変わってないから判別できるが、これが普通に男だったら、何処の馬の骨だ!、ってキレるかもしれない。」


 少しの誇張表現は含まれるが思ったことをジョークのように軽く笑いながら言う。


「何処の馬の骨って、親ですか?ふふっ。」

「でも、バイト仲間として、先輩として見守ってきた身としては近い心境かもな。」

「です、か。」


 莉未の親………か…………。確かに過剰とまでは言わないがただの後輩、よりは面倒を見てるかもしれない。後輩が他にいないから比較出来ないが。

 それに………


「莉未の話も聞かず、古臭い固定観念で閉じ込めてる、肉親よりも俺の方が……っては思うけどな。」

「…………あっ………」


 少し、怒りというかが籠った言葉に空優は一瞬ハッとして、黙ってしまった。まずい、と思って明るく切り替えそうと思った時、静かに力強く、


「莉未ちゃんは、莉未ちゃん。私達だけでも、分かってあげる。優しさを……あげましょう。甘えられる、ように。」


 その言葉を聞き、俺はただ静かに、あぁ、そうだな、と返した。

















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