第11話ー①
昼食を終えて、とりあえず教室に戻ると行列は終わっていた。そんな教室を見ていると、理科室が開く音がして、音露が出てくる。残念ながら、メイクや衣装もしていない。
「よっ!昼飯済ました感じ?」
「そう。なんで、女装してないの……」
「男子は殆どこうよ?女子でも……悠華みたいに着替えてない方が少ない……かな?」
「そうなんだ。」
「そ。でも、ほら。外すのめんどいからカラコンはしてる。」
そう言って、下瞼を引っ張って見てくれた。たしかに、赤い。パッと見、充血してるように見えるんだが。まー、よく見ると鮮やかな赤なんだが。
「へー、綺麗な赤だね。」
「見れないの、残念、です。」
「私も見たかったです。」
「んやー、恥ずい。」
「ざーんねん。」
壁側に移動して、そんな雑談をする。
「昼は取った?」
「軽くなら。まー、僕はこれからガッツリ食うから、また後で合流しよ。」
「了解。」
遅めの昼食になる音露と一旦別れて俺らも次にどこ行くかを話し合う。
「あ、美術部も出しているんですね。」
「部活で出しているのはここくらいだね。というか、先生たちも出しているんだ。」
「えーっと、写真展示かぁ。面白そうだね。」
「そう、です、か?」
「去年のとかは私にとっては見たことないものだからね。」
「それもそうだな。」
とりあえず、美術部はお化け屋敷らしいので行ってみる。
美術部と言っても特に広いわけでもなく、俺らの教室とさして広さは変わりない。その広さでやるのだからそこまで広くはないだろう。
「1時間待ち、か。」
「混んでるねぇ。」
予想以上に混んでおり、1時間待ちと書かれた紙が貼られていた。
「1時間待ちっつうと?」
「2時ぐらいになるね。3時には終わりだから………」
「きついな。家庭科室も寄りたいんだよなぁ。」
「そう、なん、です、か?」
「ちょっとね。」
そうなると今日行くのはキツイかな。といっても、明日の人の入が分からないから、行けるかどうか、だな。まぁ別に、1人では行く気もなければ、そこまで行きたいって訳でも無いが。
「写真、見に行こっか。」
「はい。私も気になります。」
ということで、写真展示に向かうことにする。展示は会議室という、2教室分くらいのサイズで、学年集会とかでも使われる場所でやっている。規模がでけぇ。
各学年事に別れて、展示されている。主には去年の写真だ。だいたい去年の文化祭後から、今年の8月ぐらいまでのが展示されている。
とりあえず、1年のところを見てみる。もちろん、帰宅部の俺なんかは1年で関わりがあるのは莉未だけなので、莉未を探す。
「ん、いた!」
「……あ、ほんと、ですね。」
映っていたのは、学年の仲を深めるとかゆう趣旨で毎年やっているらしい、交流会の様子だった。休憩中をまさかの1人で撮られている。左手にタオルを持ち、右手でピースを作ってカメラ目線。
「かあわいい。」
「です、ね。写真、欲しい、です。」
「確かに。わかる。激しく同意だわ。」
「ですよね!可愛い………」
「あのー、先輩方?恥ずかしいんですけど………」
そう言って顔を赤くして照れる莉未に2人して頭を撫でる。ますます照れて顔を赤くしてる。それが可愛くて、また撫でてしまう。
「そのくらいにしな。衆人観衆の中なんだし。」
「あはは、悪い悪い。」
「栞之宮先輩、ありがとうございます。」
俺らが手を離すと、悠華に頭を下げる。
「にしても、なんか今の美桜菜みたいだな。」
「必然的に、立ち位置が、ね。」
「確かにな。」
そんな話をしながら他にも探すが、後は集合写真ぐらいしかない。
次に俺らの学年、2年の時の所に行く。
「映ってるのかなぁ。」
「私は、去年は、クラス、違ったので……」
「そういえば、そうだな。」
見ていくと、最初は去年の文化祭の写真が飾られている。
「あ、空優ちゃんだ。何してるのこれ?」
と、悠華が指したのはよくある家庭用ビニールプールに入っている水を触っている写真だ。
「これ、は、去年の、私の、クラスの、出し物、です。」
「あー、確か金魚釣りのおもちゃバージョンか。亀とか蛸とかのお風呂とかに浮かすやつ。とか色々。」
「です。後、ヨーヨー釣り、をやってて。何故か、撮られ、ました。」
少し恥ずかしそうに空優が説明する。去年は今みたいに回ったりはほとんどしてないが、さすがに隣のクラスの出し物ぐらいは把握している。思った以上の反響で、追加の買い出しに行ったとかなんとか。
「へー、涼しそう。」
「実際、涼しかった、です。」
「だろうなぁ。」
そのまま見ていくと俺らのクラスになる。あ、これ。貼られてるんだ……
「わー、仲良さそうですね。遥真先輩と紅里先輩。何してるんです?」
「これはー、企画の準備の話し合いしてる時にカメラ向けられてピースしたやつか。」
「確か、カジノ、みたいな、ですよね。」
「なんかそうゆうの持ってる人いてな。何故か許可降りてね。」
「凄いですね。」
「常に人はいたよ。」
去年のことを思いだしつつ、他の写真も見に行くことにした。




