第10話ー②
文化祭の開幕が宣言されて、1時間が経った。今日は、生徒だけだが、それでもいつもよりも活気があるように感じられた。とは、盛況ぶりを知らせるメッセージを送ってきた、美桜菜の感想だ。俺はと言うと、まだ家庭科室で料理中だ。
「よし、第2陣までの料理のストックができたな。」
「作りました、ね。」
「だな。」
とりあえず、今、教室にある、料理とこっちで作ったまだ持ってっていない料理。これで事足りるのではと予想する。
ということで、一旦落ち着いて来たので軽く洗い物を済ませておく。片付けれるものから片した方がいいからな。
「この後、どう、します?」
「暇だったら、莉未のとこ行くかな。誰か暇な奴と。」
「あ、なら、私も、ついていって、いい、ですか?」
「ん。大丈夫。」
洗い物を済ませつつ、美桜菜に何か手伝った方がいいことはあるか確認するメッセージを送る。1分ぐらいで既読が付いて返事が来た。
『特にないわ。そろそろ、こっちのストック無くなりそうだから、受け取り渡し終わったら休憩でいいわよ。』
メッセージを全員に伝え、配膳担当を待つ。しばらくして、配膳担当が来たので、料理を渡す。
渡し終えたので、俺らもとりあえず自由ということにした。何かあったら集合かけるということで。
「俺らも教室一旦行くか。」
「です、ね。」
廊下を歩き、教室に向かう。こっち側は、調理室とかしかないし、何も展示もないので人はいないが、中央階段から教室がある側は人で賑わっている。
「うーわ。こんな、俺らの学校、人いたっけ?」
「いたんじゃ、ない、ですか?」
「皆、楽しそうだねぇ。」
「はい。」
人波をかき分けて教室に向かう。俺らの教室は幸い階段に近いので何とかなった。
教室の扉を開けて、中に入る。最初は、いらっしゃいませ、と言ったが俺らの姿を確認して、席に案内することは無い。そうゆう風に決めているらしい。
「クオリティ、高い、ですね。」
「だな。誰が誰だよ。」
そんなことを言いながら、教室の隅に行く。壁に貼られたシフト表を見て、次誰が休みが確認する。っと、悠華が暇かな。
「で、誰が、悠華ちゃん、でしょうか?」
「……んーー…………あーー………うぅ………わからん。」
周りを見るが全く分からない。かといって、連絡しようにも、ホールしてる時は見ないように徹底されているらしいしな。
さて、どうするかだが、あっちから来てくれないかなぁ。
シフト表を見るに、そろそろ交代の時間らしいから、待つか。5分ぐらいだし。
なんとも言えない気まずさの中、店内を見つめている。なんか、こうゆう所に空優もいるにはいるけど、何をする訳でもなく、立ってると部外者間というかなんというか、場違い感?があってえもいえない気まずさというか居心地の悪さを感じる。
最終的には俺らは教室を出て外で待つことにした。
しばらくすると、何人かの女装男装した人が教室から出てくる。そのうちの1人がこちらを見つけ、話しかけてきた。
「おっ、こっちいたんだ?一緒に回る?」
「………あぁ。ていうか、悠華……だよな?面影が………」
「ふっふーん。でしょ?イケメン枠ー。」
と、ドヤ顔で自慢して来るが、それよりも俺らはそのクオリティの高さに驚いている。忘れてたが、そういえば悠華って普通にモテるぐらいには顔面良かったな。
銀髪で、右側に前髪を流して、後ろ髪が小さくポニテになっている。そして、青のカラコンまで入れている。服は、黒のジャケットにジーパンとなかなかにイケている格好をしている。この格好で接客するんだ……………
「わぁー、かっこいい、です。」
「ふふ、ありがと。」
そう言って、軽く空優の頭をぽんぽん、とする。言動まで、イケメン化してんのか?
割と気に入っているし宣伝になるからと、このまま莉未のとこに行くことになった。
教室は、2階なので人も沢山いて着くまでに少々時間がかかったのだが、それまでにも悠華の方をチラチラ見る人が沢山いた。女子で。
「大人気、です、ね。」
「でっしょ〜。」
「喋る時のキャラはそれで合ってるのか?」
「あってます〜。」
調子に乗ったような言い方をしながら、ニカッと笑う。
それを見ていた女子たちがザワつく。よっぽど好評らしい。それに気づいた悠華は笑顔で手を振って、歓声に答える。そうすると、また女子たちがザワつく。というか、悲鳴が響く。
「ノリノリだな。楽しいか?」
「…………まぁね。こうゆう感情はまだ暖かい方だよ。」
「そうか。」
何処か含みを持たせたような発言に感じたが気付かないふりをした。
程なくして、1年生の教室についた。ちなみに、唯一1年だけが1クラスである。極端に少ないという訳では無いが、2クラスにする程でもない人数らしい。
「おー、本格的だぁ………」
「ひらめき迷宮、です、か。」
「そのまんまの名前だね。わかりやすくていいけど。」
受付の方には、莉未はいなかったので、中に居るということだろう。この時間は、まだ教室にいるって前に教えてくれたし。来なくっていいですって言っておいて、教えくれてるとはツンデレだなぁ。
「なーに、ニヤニヤしてるの。合わないから、やめな?」
「は?酷くない?それに、会わないってどうゆう事だよ。」
「ま、まぁ。とりあえず、入りましょう。」
空優にその場を宥められ、そのまま中へと入っていった。




