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僕らの青春は苦悩から  作者: 好音 コルヴォ
高校2年一学期
28/83

第7話ー③

「さてと、僕はどこを回ろうかな。」


 1人で回るとは言ったものの、特に行きたいとこはなく無計画のまま歩く。

 人波を掻き分けながら、周りの屋台を見ていく。といってもこれと言ったものもなく、適当に歩く。何かは、食べたいなと考えているとたこ焼き屋があった。とりあえず、それにすることにする。


「はい、500円ね。熱いから、気をつけてね。」

「ありがとうございます。」


 とりあえず落ち着いて食べるために、狐遊神社の方に向かう。

 流石に神社の方も人が結構いるみたいだ。境内の空いているベンチに座る。


「ふー、ふー……………ん。美味しい。」


 たこ焼きを頬張りながら夜空を見上げる。そのまま目を閉じ、人の喧騒を聞く。と、その時だった。


「あっ、またあったね。3ヶ月ぶり?ぐらいだね。」

「っっっ…………………………………………………」


 また、彼女が…………… ま、いる可能性もあったにはあったけども。

 前回と違い、今回はお祭りで人混みのことも考えてかそもそも帽子を被っていない。だからこそ、表情がよく見える。何度も見たあの『笑顔』が。


「そういえば、私の事覚えている?」

「忘れるわけないだろ。」

「あら、それは嬉しい。」


 そう満面の笑みで言う。その笑顔を見る度に変な汗が出そうになる。この笑顔にいい思い出なんて1個もあるはずがない。

 腕時計を少し確認し、時刻を見る。ちっ、花火まで時間がある。ここからレストランまでどれだけ時間かかっても15分ぐらいだろう。今からはちょっと早い。はぁーーー…………………駄目か。


「浴衣似合ってるね。」

「あっ、そう。」

「えーー、素っ気なくない?」

「まぁ、そうしてるから。」

「酷ーい。」


 駄目だ。頭が混乱する。こいつは昔からそうだ。会話が要領を得ない。でも、隙を見せたくもない。だから、会話を深読みする。そうすれば混乱する。負の無限ループだ。わかっているんだがな。


「そういえばお友達は?」

「別行動。こんだけ混んでいると、動きづらいからね。」

「へー、友達いっぱいいるんだね。」

「ご想像にお任せします。」


 めんどくさい。たく、せっかくの気分が台無しだ。…………………………………どっかの班と合流するか。でも、場所が分からない。どうするかな。


「隣、座ってもいい?ずっと立っているのも辛いからさ。」

「どうぞ。」


 そう言うと、失礼します、と隣に本当に座ってしまった。想定通りではあるのでそのまま立ち上がる。とりあえず、これで動きやすくなった。


「えー、なんで立つの?」

「僕はもう行くよ。じゃあね。」

「駄目!もうちょっと話そ?」


 立ち去ろうとすると、呼び止められる。ちらっ、と時間を確認すると少し早い気もするが、ゆっくり行ってなにか買ったりすれば程よい時間になるはずなので無理矢理にでも立ち去ることにする。


「もう少しで集合時間だから行かなきゃ行けないんだよ。」

「じゃあ途中までついて行っていい?」

「………はぁ…………駄目。紹介したくない。」

「ひっどーーーい!!」

「じゃあ、そゆことで。」


 昔と違うところが一つだけある。それははっきりと自分の意見を伝えることが出来ている事だ。と言っても、チャラくやってないとまだ怪しいがな。今でさえ無理してるし。

 一刻も早くこの場所から立ち去りたい気持ちと強い焦りを押し殺して冷静をよそって立ち去る。


「まぁ、久しぶりに会えて嬉しかったよ。またね。」

「はいはい。じゃあ。」


 そう言って手を振るのに軽く手を振って返し足早に去る。なんとか切り抜けることができた。境内へのちょっとした階段を降り、人の波を逆流していく。少し進み後ろを確認してついてきてないことを確認する。脇にそれ、一息つく。


「普通にここまで逃げれば良かっただけかもな。頭が回らなかった。っと、一番乗りかもしれないが行くか。」


 何とも言えない気持ちの処理の仕方に悩みながらレストランに向かった。誰かと合流できないかとも思ったが、誰とも会うことなかった。


「はぁー………………………ん?りんご飴……………」


 なんとなしに目に入ったりんご飴屋に行き、とりあえず1個を買うことにした。疲れきった脳に糖が行き渡っていく。

 食べながら向かうことにする。……………………やっぱまだ昔のままなところの方が多いな。


          ◇ ◇ ◇


「あー、偶然だね。この人の数で出会うとはね。」

「です、ね。」


 屋台と屋台の間の空間に腰を据え、日花光とチーズボールを食べていると、それを見つけた悠華と空優と会った。


「せっかく会ったし一緒に回る?」

「俺はいいけど…………」

「うん。お姉ちゃん達と回りたい。」


 なら一緒に行くか。ちょうど食べ終わったので、立ち上がり屋台隣のゴミ箱に空の容器を捨て、歩き出した。


「そういえば、時間とかって把握して動いてる?」

「ま、一応ね。そろそろ、戻りながら散策した方がいいと思う。5分前行動は基本。」


 そう言いながら後、どんな所があるかなと見ていく。

 にしても、あれだな。うん。さっきから思ってたけど人が多い。なんだったらちょっと気分が悪くなってきたもんな。楽しさで誤魔化しているけど。


「お兄ちゃん、大丈夫?いつも、人混み苦手そうにしてるから……………」

「ふふ、大丈夫だよ、日花光。ありがとう、心配してくれて。」


 そう言って、頭を優しく撫でる。うーん、なにか、あっ、お面売ってる。


「日花光、お面いらない?」

「うーん………荷物だしいいかな。」


 あら、大人な反応。ま、確かに日花光はこうゆうの欲しがらないしな。

 でもこのままだとレストラン行くだけなんだよな。


「なんか買いたいよな。」

「あっ、これ。……………みんな先に、言ってて、ください。私、このカステラ、買ってから、行くので。」

「母が、好きなので。ここのは、美味しいから、買ってきてと、言われてたのを、思い出しました。」

「あー、じゃあ俺が残るよ。2人の方がなんかあった時安全だろ。」

「あ、ありがとう、ございます。」


 ま、結構人が並んでるから。いっちょ並びますか。悠華に、日花光のことを預ける。

 俺らが最後だろうな。

















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