第7話ー②
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。もう1作品の方も新年一発目ということで更新しましたので見ていただけると幸いです。
「お祭り会場にー、着いたー!!」
リムジンからおり、会場に着いた悠華がそう両腕を上に伸ばし叫ぶ。いや、落ち着きなって。
「事前情報通り、人、多いですね。」
「この辺りでは1番大きいお祭りだからね。そりゃあ、多いわよ。」
確かに、去年も感じたが多いな。この人数で移動できるのかとも思えるな。
最悪分かれて行動すればいいかな。叔父さんは仕事に行くって言ってたからいないとしてもさ。7人は流石に多いかなと。
「分かれて行動するにしてもどう分かれると言うのよ。」
「確かにな。適当に回って、去年花火見たあの場所に集合とかにするか?俺は、日花光とももちろん動くけど。」
「まぁ、それが無難かしらね。人が多いから、集合できるかは分からないけど。」
皆もさすがに納得ということでその方向で動くことにした。
「で、集合場所は?」
「あぁ、そこのビルよ。正確に言うとその中に入ってるレストランね。紅里のつれって言えば予約席にとうしてくれるわ。」
「この夏休みで一気に美桜菜ちゃんがお嬢様に感じたなぁ。」
「全部、叔父上が用意したことよ。もう、最近は断るのもやめただけよ。」
美桜菜が言ってること自体は事実ではあるがそれでも俺らの感覚とはまた次元の何かを感じはする。
場所の確認も完了し、どう動くかになった。俺は日花光と動くからいいけどさ。
「うーん………………単独行動する。大丈夫、昔に何回来てるし。」
「まぁ、音露がそう言うならそうしよっか。」
「ねぇ、莉未ちゃん、私と一緒にまわらないかしら?」
「はい!よろしくお願いします。」
「空優、私たちは私たちで行こっか。」
「そう、ですね。」
それぞれ、どう動くのか決まったみたいだな。なんで、美桜菜が莉未を誘ったのかは分からないが。音露が1人でまわるというのも驚いしたしな。
「まぁ、諸々決まったな。よし、各自………散開!!」
俺の即興の仕切りでそれぞれがそれぞれで動き出した。まぁ、最初とかは同時なんだかな。
◇ ◇ ◇
「で、なんで私を誘ってくれたんですか、紅里先輩?」
「なんとなくよ。なんとなく、いつかサシで喋ってみたいと思ってたのよ。」
その要領を得ない返しに多少疑問は残ったが、一緒にいるうちにそういう先輩だと察してきていた莉未はそれ以上は追求することはなかった。
まぁ、ある意味予想どうりという感じに話題はない。会話が弾まなければそこにあるのは気まずさだけ。
そんなことを莉未が思っていると、不意に美桜菜が口を開いた。
「お祭りは遊ぶのと食べるのとどっちが先?私は本当に気分なのよね。」
「どっち、ですか………… 私は今まで親に従っていただけなんで、どっちとかないんですよね。」
「じゃあ、今はどっちの気分かしら?」
「えっ、えっと、遊………び………?」
「じゃあ、ちょうど目の前に射的があるしやりましょうか。」
戸惑いながらそれに莉未は従ってついて行く。その隙に、店主にお金を渡し、射的用の銃を受け取るとそれを莉未に渡す。
1回で、5発撃つ事が出来る、らしい。よく分からないまま、銃を構え適当に一番下の段の箱に入った棒状のチョコ菓子を狙う。
パンという音だけは立派なのがなり、見事にクリーンヒット。景品を1発ゲットに成功した。
「おおー、凄い。私、当たったためしがないわよ。」
「たまたまですよ。本当に、たまたまです。」
そう謙遜していると、唐突に美桜菜が莉未の頭上に軽くチョップを当てる。
戸惑いを隠せない莉未を横目に店主に軽く断りを入れると、
「謙遜するのは確かに立派よ。自分に驕るよりは何百倍もましだわ。でも、常にそれをやっていると人は不思議で、だんだんとその人のそういう言動がうざくなるのよ。まぁ、私が言いたいことからは若干脱線しているけど、それも覚えておくといいわよ。で、今私が言いたいのはそっちよりも、謙遜してる本人についてよ。謙遜し過ぎればしすぎるほど、自信を無くす。そのせいで、自分のできることを見失ってしまうわ。自分の超えるべき壁を勝手にどんどんと高くしちゃうのよ。貴方も無意識かもしれないけど、そうなってしまってるわよ。」
「あっ……………ははっ、…………………すみません。」
「謝って欲しいわけではないのだけど。あぁ、店主、あといいからお釣りとかもいらないから、銃返しますね。では。」
美桜菜はそう言い、銃を返す。そして、莉未の腕を引っ張り近くのベンチに座らし、自分も隣に座る。
先程とはまた違う気まずさを感じ、美桜菜のことを見ることが出来ない。下や、美桜菜の右側に座った美桜菜の反対を見たりして、落ち着かない様子である。
どうしていいかわからずにいると、急に優しく美桜菜がハグをしてきた。その行動に莉未は戸惑いを隠せずにいる。
「え、えっ……とぉー………………」
「人の悩みというのは当人にしか分からない。もちろん踏み込まれたくないことだって沢山あるわ。でも、私は誰かの相談相手になりたいの。たとえそれで偽善者だなんだと言われてもね。」
「紅里先輩は強いんですね。後、苦しいです。」
そう言われ、体を離す。そして、強いという言葉に少し悩んだあと、
「強い、か。そう見えるっていうのは少し嬉しいわね。でも、月輝君のおかげもあるのよ。」
「遥真先輩のおかげ、ですか?」
「そうよ。昔は気高く気丈に振舞っていたのだけどね、月輝君と出会って、付き合ってもみたりして、知ったのよ。気軽に話せる人って大事なんだなってことにね。だから、月輝君のおかげ。」
「それはわかる気がします。初めて、女の子として、話せたのは遥真先輩が最初でしたから。」
まだ、何処か気まずさがあり、下を向きながら同意する。
「だから、なにをしたいのか尋ねたのよ。私の勘だけど 私たちのメンバーは特殊な人が多い気がするわ。だから、もっと自分を出しなさい。謙虚も遠慮も程々にして、ね?」
「なんか、お姉ちゃんって感じがします。」
「紅里お姉ちゃんよ。」
やっと顔を見ることができた、莉未。そして、顔を見合わせ2人は笑った。
自分を出すと言っても、きっとすぐには慣れず、難しいだろう。それは莉未本人も美桜菜も気づいていた。でも、少しだけ、前向きになれた気はしていた。




