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僕らの青春は苦悩から  作者: 好音 コルヴォ
高校2年一学期
24/83

第6話ー③

 砂のお城を落城させ、店の後片付けを済ました頃には日も暮れて、あたりは暗くなっていた。

 何時になったのかと思い、時計を見ると19時になっていた。

 片付けも終わり皆で帰ろうとすると、音露が突然、ちょっと待ったー!と叫びだした。


「実は、いいもの買ってきたんだよね。」


 そう言うとバックから線香花火など様々な種類の入った手持ち花火のセットを取り出した。しかも3袋。

 まぁ、やってもいいかな、皆乗り気だし。


「叔父上に連絡しときましたわ。後で、夕食を持ってこちらに来るらしいわよ。」

「なんか悪いな。でも、ありがたい。」


 用意周到な美桜菜が、しっかりと叔父さんに連絡してくれた。

 そんな美桜菜の少し遠くで、袋をせっせと他の人達は開けている。

 行動が早いな。どんだけ楽しみなんだか。


「私達も行きましょう。」

「はいはい。」


 言われるがまま、皆のいる波打ち際近くまで向かう。


「お兄ちゃん、もうやってもいい?」

「あぁ、いいよ。ちゃんと安全にね。」

「うん。」


 そうゆうと、音露のとこに行って火をつけて貰いに行った。

 すっかりこの何日かで仲良くなったよな、2人。

 皆、準備が終わり、色鮮やかに輝いている。

 綺麗だな……………


「俺もなにか貰おうかな。」

「ほい、お好きなの選びな。」


 音露が、1袋差し出してくる。俺はその中から、ススキ花火を取り出した。

 少し離れて、火をつけるとすすきのように火が広がってかなり綺麗だ。

 黙ってみる系が本当は好きだけど、線香花火は目玉みたいなところあるから、あえて取らなかった。

 皆、楽しそうだな。こうゆうの見るの好きなんだよな。

 そんな気持ちもあって、花火が消えたのをしっかりと確認し皆から離れて海の家の木の柵に、背をもたれかける。ちょっと、離れすぎな気もするが見えるからいいか。

 楽しそうな皆の笑い声が聞こえてくる。そうゆうのを聞くと、本当に俺が今この場所にいることが奇跡だよなと思う。しかし、それはよく思うことである。

 案外離れていても、バレないものだなと思っていたが、案外その時間は長くは続かなかった。

 遠くから車の来る音がしたと思ったら止まる音がした。叔父さんか。

 扉が閉まる音がすると、次は足音。そうしてやってきた叔父さんと別荘のお手伝いさんがやってくる。手には食事の入った重箱を持っている。


「あれ、そこで何してるの?遊ばないの?」

「あぁ、こうやって見ている方が好きなだけですよ。あっ、持ちますよ、夕食。」


 そう言って叔父さんが持っていた方の夕食を持つ。その足で皆の所に向かう。


「みんなー、夕食持ってきたぞ。」


 それに皆が振り返る。日花光が我先に走ってきた。ちょっと恥ずかしいんだけど………………

 このまま、砂浜で食べようともなり、レジャーシートを砂浜に広げる。重箱とレジャーシートだと運動会とかお花見みたいだな。

 夜も深くなってきて、昼間の人でごった返していて喧騒に包まれていた砂浜が、すっかり静かになっている。喋らないと聞こえるのは波の音だけ。僕らの喋り声が夜の空に響き渡る。

 そんなことを思い、ふと空を見上げると満天の星空が煌めいている。


「綺麗な星……………」


 そんな俺の呟きに反応したのは空優だった。俺の隣にやってきて一緒に空を見上げて、


「本当、ですね。こうゆう景色って、最近は、見れないです、からね。」

「俺らのとこですら、ビルとか建ち始めてはや何年かだもんな。」

「まぁ、そう、ですね。」


 自然と声の大きさは俺と空優、2人だけが聞こえる程度の小ささになる。

 2人で黙って空を見ていると、食事している皆の話し声が聞こえてくる。思わず、2人で顔を見合わせて笑ってしまった。


「戻りましょう、か。」

「うん、そうだね。」


 そう話し、皆の所に戻った。


         ◇ ◇ ◇


 別荘に戻り、お風呂にしてからそれぞれの部屋に戻って寝ることになった。だが、俺は少し眠れず、2階のバルコニーに出て、夜風に当たることにした。行く前にスマホで時間を確認すると、22時を超えていた。

 最近、少し昔のことを思い出すことが増えてきた気がする。悠華が悪いんじゃない。思い出すのだけなら、前からそうだった。俺はもしかしたら、今が楽しいほど昔と比較してしまうのかもしれない。

 そんなことを思いながら空を見上げで見ると、満天の星空がここでも煌めいている。


「そっか、ここも山の中だからな。」


 その美しさに魅了されていたからか、思っていたことがぽつりと口からこぼれ落ちる。

 早く寝ないと明日に響くのはわかってるのだけどな。どうも眠れない。

 特に意味もなく、夜空に手を伸ばして虚無を掴んでみる。そして、手をまた広げる。今度は広げたままでいてみる。一連の動作に意味などなくただしてみたくなっただけである。

 流石に部屋に戻った方がいいと思い戻ろうと、室内の方に体を向けると、空優が階段の所にいた。

 案外暗いんだが気づいたのか。


「どうしたんだ。」

「……………………そっちは?」

「寝れなかった。」


 やってきた空優と少し言葉を交わす。

 ずっと話しているわけにも行かないのでやっぱり部屋に戻ることにした。


「じゃあ、おやすみ。」

「おやすみ、なさい。」


 挨拶をして、俺らはそれぞれの部屋に戻った。

















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