第1話―①
お正月(3日)にも投稿するかも・・・
高校2年生になって2日目の今日。昨日発表されたクラス分けの教室に向かう。少し遠くなったなと思いながら、俺、遥真 月輝は歩いていた。
教室に着くと教室内がざわついているのがわかった。中に入るとみんながなにかの話題で盛り上がっているようだった。それが気になった俺は教室の中を見渡した。こうゆうことを知ってそうな友達に心当たりがあったからである。俺はその友達を見つけると、朝の挨拶も兼ねて近づいて行った。
「おーい、音露。おはよう。なんかあったのか?いつもより、騒がしいけど。」
そう呼ぶと、その友達はこちらに振り向いた。
雫葉音露は高校に入ってできた友達だ。染めているわけでなく自毛らしいが明るい茶髪で天然パーマでもあるらしくウェーブがかった少し長めの髪で、人懐っこい。最初は見た目も相まってチャラそうな印象を受けたが、話してみると凄くいい人だった。吹奏楽部にも入っていて、かなり活躍してるらしい。
「おっ!月輝。おはよ!どうやら、転校生が来るらしいぞ。」
「転校生?急だな。ふーん。だから、騒がしいのか。」
「女の子らしいぞ。」
「へー。だから男子が特に騒いでんのか。」
俺からすれば正直いって転校生に興味が無い。自分で言うのもあれだが、クラス内では目立って表に出るタイプではない。だから、関係ないかなとちょっと思ってしまっている自分がいたのだ。
それから音露と世間話をしてるとチャイムがなったので自分の席に戻った。そうするとすぐ、担任教師の弥嶋 葵志弦先生が入ってきた。弥嶋先生は化学基礎の先生で、生徒ともフレンドリーなため人気のある先生である。
「ほらほら、お前ら静かにしろー。もう知ってると思うが転校生が来るぞー。」
そう言うとクラスの皆が目に見えてソワソワし始めた。
「じゃあ、入ってきてくれー。」
そう先生が言って入ってきた女子にクラス中がざわついた。
第一印象は綺麗な人だなと思った。黒というかどこか灰色がかった橡色の髪色。後ろは肩まで伸びたロングの髪型。立ち姿からは上品さというかお淑やかさが伝わってくる。だが、俺はどこか見たことがあるような気がした。
「はじめまして。栞之宮 悠華です。これから、よろしくお願いします。」
そう言って、微笑んだ彼女に近くの男子を見ると釘付けになっているのが目に見えてよくわかった。
「じゃあ、栞之宮はー、あそこ。あそこの男子の後ろな。」
そう言って、先生が指を指したのは俺の後ろだった。まぁ、俺の後ろに机があったから納得できるが。
先生に言われてこちらにきた栞之宮さんは俺の方を見て「あっ!」と声を漏らした。俺は、それに思わず、「うん?」と言ってしまった。栞之宮さんはそれには答えず席に座った。
そのあと、朝のホームルームがいつも通り行われた。終わったあと、栞之宮さんが俺に話しかけてきた。
「覚えてないと思うけど久しぶり。自殺志願者君。あー、元か。」
そう言った彼女に、俺は心の中で激しく動揺した。いや、俺が平静を装えていると思っているだけで実はかなり酷い顔になっているのかもしれない。というか、それよりもなぜそのことを知っているのかが問題だ。知っている人なんていないはずだ。先生にも自殺しようとしたとは言ってないのだから。いや、もしかしたら。だから、見たことがあると思ったのか?
そんなふうに思考を巡らせていると、栞之宮さんはくすくすと笑いながら言葉を発した。
「慌ててる。面白い。そうかー。覚えててくれてたんだね。そうだよ。あの時、1回目撃した女の子が私だよ。」
やっぱりあの時の女の子だったのか。だが、なんで自殺のことを知っているんだ。言ったはずは無いのに。
俺は恐る恐る口を開いた。
「で、俺に何のようなの?栞之宮さん。」
「栞之宮さんって、他人行儀だね。もう、同じクラスメイトだし、名前で呼んでよ。なんなら、呼び捨てでいいよ。」
何を考えているのかわからない。それが俺の感じたことだった。
「まぁ、変に警戒しないで。仲良くなりたのはほんとだから。」
「ふーん。ま、同じクラスだし宜しくはしとくよ。悠華。」
そう言って俺らは握手した。
〈キャラクター名解説〉
名前 遥真 月輝
読み方 はるま つき
髪色 黒
身長 172cm
名前の意味 月が夜を照らし輝くように、暗いことも明るく乗り越えれる人になってほしいから
その他 勉強と運動はまぁまぁできる。が、音楽は少し苦手