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「あれ……。ここどこだ?なんか知ってる天井だな」
そこは実家の自分の部屋。自分がまだ一緒に住んでいるときのままだった。
だが男はふと思い出す。
(いやいやいや!!俺は昨日お酒飲んでベンチで寝てたし、もう実家暮らしもしてないだろ。一体何がどうなって……)
と混乱しているなか母親の懐かしい声が聞こえてきた。
「あきらー。あんたいつまでも布団に入ってないで早く朝ごはん食べちゃいなさーい。」
「う、うん。わかったー。」
返事をしながら考え、とりあえず携帯を手に取った。
驚いたのはまずその携帯本体だ。
現在使っているものではなく、昔使っていた古い物であること。
そして今はもう連絡すら滅多に取らない結婚した元カノからの連絡が液晶に映っていること。
【おはよー。今日はサボらずちゃんと大学行きなよ?】
(一体どうなってるんだ?タイムスリップ?でもなんでこの時期に。)
混乱しながらもとりあえず返事をして懐かしい大学へと向かった。
そしてずっと考えていたなぜこの大学の学生生活中に自分は戻っているのか、その答えがわかってきたような気がした。