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秋葉原ヲタク白書35 熱血!コスプレバトル

作者: ヘンリィ

主人公はSF作家を夢見るサラリーマン。

相棒はメイドカフェの美しきメイド長。


この2人が秋葉原で起こる事件を次々と解決するオトナの、オトナによる、オトナの為のラノベ第35話です。


今回は、メイド長の後輩メイドのコスプレKO写真が出回り、地下でコスプレバトルが行われている実態が明らかになります。


しかも、マッチメイクに不自然なモノがあり、人気番組"ドクター外神田の愛のコスプレ診断"との怪しい関係も浮上して…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 "愛のコスプレ診断"


"ドクター外神田"がキテるw


スマホTVでやってるリアリティショーの人気コーナーらしいんだが"ドクター外神田の愛のコスプレ診断"って逝う奴、誰か見てる?


番組に御主人様とメイドがコンビで現れて倦怠期の危機を訴え、最後にメイドが過激なコスプレをして御主人様は大喜びして御帰宅←


マンネリ夫婦向け人生相談のパクリだがコレが主婦ならぬメイドにウケてると逝う謎w

その時、コンビの話を聞いて、メイドに"適切なコスプレのアドバイス"をするのが…


"トータルコスプレライフアドバイザー"の"ドクター外神田"だ。


で、どんな野郎なんだ?と思ってジルバのスマホを見せてもらったら…ん?スズキくん?


「あ、あれ?このドクター何チャラってミニコミ誌"ヲタポケ"の編集にいたスズキくんだょね?分厚いメガネとかかけちゃってるけどさ」

「えっ?そう逝われてみると確かに。まぁ、こんなコトやってらしたのね、意外」

「ミユリ姉様のお知り合いですか?キャー羨ましい!素敵な方なんですっ!ドクターのアドバイスのおかげで私達も…その…何て逝うか、最近イロイロ上手く逝っちゃって!キャー恥ずかしい!」


僕の推し(てるメイド)ミユリさんがメイド長を務める御屋敷(メイドバー)はアキバと逝う原始の海にヲタクが誕生した謎に迫るディアミドリン酸(ディアミドホスヘイト)バーと呼ばれるw


で、生命誕生以前の無生物質の代表みたいなジルバは"アキバの王になる"と野心旺盛なヲタクだったが今はスッカリ牙を抜かれて…


で、見事に彼の牙を抜き去り総入歯にしてしまったのが、危うくアロマ漬けにされかけたのに全然未だ全く懲りてないリボンさんだ。


「ええっ?リボンちゃん"ドクター外神田"に出たの?いつの回?どうだった?何のコスプレをしたの?あぁ見損ねたわ!残念!」

「うふふ。ミユリ姉様、収録だけで未だオンエアされてないンですぅ。何のコスプレをしたのかは…ナイショです!いくら姉様でも逝えません、キャ!」

「ええっ!知りたい知りたい!コスプレの写メないの?"ドクター外神田"のアドバイスって御主人様に効くのかしら?やっぱり盛り上がっちゃうワケ?」


何が盛り上がルンだろーw


いつもはオスマシ顔のミユリさんが、珍しく好奇心を丸出しって感じで聞きまくってる。

コレはホント珍しいコトだ…ってかミユリさんも"愛のコスプレ診断"を観てるンだ?笑


「ねぇ!テリィ様、私も"ドクター外神田"に出たい!ねぇ、いいでしょう?ホラ私達、倦怠期だし!出ましょうょ"ドクター外神田"。テリィ様ぁ!お願い」

「え?え?倦怠期?僕達がwホンキかな?こんな低俗番…(最後まで逝えないw)」

「ええっー!信じられなぁーい!"愛のコスプレ診断"が低俗だなんて誰が決めたの?テリィ様?テリィ様がそんな方だったなんて!私、コレから何を信じていいのか?」


カウンターの中のミユリさんは、ヘルプのつぼみんの胸に顔を埋めて泣き崩れる(フリ)。

カウンターの外では、はみ出しメイドのリボンさんが鬼のような形相で僕を睨みつける。


そのリボンさんの横で、やたらニコヤカに微笑むジルバが実に気に入らない。


「テリィさん。ロクに観たコトもないのにファンの前で番組の悪口を逝っちゃダメでしょ。とりあえず"ドクター外神田"を御存知なら会われては如何deathか?」

「ええっ?"ヲタポケ"の営業だったスズキくんに会うの?苦手なんだょな、実は。やたらリア充ぶるんでさ。フリーのメディアプロデューサーになってからは、特に」

「ソンな泣き言をおっしゃる?あのテリィ様が?さぁ覚悟をキメてお出掛けください!アキバでメイドに逆らってイイコトなんかあるハズないでしょ?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


と逝うワケで、スマホ放送局"ワラッタ"。


アイドル通り裏の雑居ビルにあり、1Fにあった純喫茶は今は"中古フィギュア屋"だ。

受付は狭い階段を上がった2Fにあり、電話番を兼ねたアイドル崩れ風アラサーが鎮座。


「あのぉ"ドクター外神田"は…」

「あ、ドクターは本番中だから。出演希望ならコレに記入して私に出して」

「あ、いや、そんなんじゃなくて…」


と話を続けようにも、彼女はヘッドセットで電話応対を始め、コチラをチラとも見ないw

しかも、既にミユリさんはイソイソ書類を書き始め、そもそもメイド服だしヤル気満々←


ソコへ。


「あ、ミユリさんにテリィさん!御無沙汰してます!"萌えプリンセス"の時はお世話になりました!」


受付横の狭い男女兼用トイレからチャックを上げながら出て来たのはスズキく…じゃなかった"ドクター外神田"その人だ。


ヤレヤレ。何の本番だったのやらw


あ、彼がミニコミの編集者だった頃、僕は雑誌主催のミスコンで彼を助けたコトがある。

あの時は、スズキくんに泣きつかれて、北千住までアイドルの替玉を探しに逝ったっけ。


「実はスズキくんの"愛のコスプレ診断"に出てみたいんだけど」

「ええっ!ホントですか?ありがとうございます!アキバの最強コンビに出てもらえるなんて、夢みたいだ!いい絵が撮れそう!あ…でも…」

「えっ?何?オーデ(ィション)とかあんの?」

「まさか!お2人はオーデなんか不要です!ただ…実はコチラからお邪魔して御相談したいと思っていたコトがありまして」


さらにソコへ。


「ドクター!この後でネット配信用の番宣映像をとらないと。それから夕方は出版社の取材が入ってる。忘れないで」

「うーん。ごめん、サリア。ちょっちコーヒータイム。マチガイダに逝ってくる」

「ええっ?!何、考えてるの?片時も忘れないで。貴方は"ドクター外神田"なのよっ!」


デニムに緑のリネンシャツ。如何にも業界人っぽい女子がスタジオ?から出て来る。

すると、スズキくんは妙に馴れ馴れしく近づきサリアさん?にヒソヒソ何か耳打ち。


すると。


「あああっ。ミユリさんとお連れのテリィさんのコンビでしたか。"愛のコスプレ診断"にようこそ!歓迎致しますわ。番組プロデューサーのサリアです」

「メイドのミユリと申します。プロデューサーさんにお会い出来るなんて光栄ですわ」

「貴女がミユリさんね?うーん美しい。美し過ぎるわ…絶品」


サリアさんは、ミユリさんの美しさに大変感銘を受けたようで、僕まで気分がよくなる←

まぁヤタラとミユリさんの脚線に視線を絡め不気味にニマニマしてるのが気になるケドw


「じゃマチガイダに逝って来る」

「はい。いってらっしゃい。戻ったら番宣映像よ!忘れないで!」

「はーい」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「スズキくん。あのサリアさんって、スズキくんの彼女?」

「ええっ?!ミユリさん、何でバレちゃうのかな?ソレ」

「貴方も彼女も手の甲に"ヲー"のスタンプがお揃いで押してあるw昨晩は盛り上がったのね?軽いシャワーくらいじゃ落ちないのょ"ヲー"のスタンプ」


"ヲー"は今、アキバで流行ってるクラブで入店時に手の甲にスタンプを押す。

うーん。全く気がつかなかったなぁ。他山の石として僕も気をつけようと思う←


「ハイ、お待ち!ダカレーのミニ3つね!」

「うわー!ダカレーだっ!た、た、食べていいの?」

「召し上がれ。僕のオゴリです」


マチガイダ・サンドウィッチズはチリドッグがヤタラ美味いホットドッグステーション。

ダカレーは、そのチリソースをベースにしたカレーでユーリ店長ご自慢の裏メニューだ。


何しろ、ユーリ店長の機嫌のいい時にしか食べれない稀少価値カレーなのだ。

ソレが3皿も!店に居合わせたマチガイダフリークから小声で悲鳴が上がる。


「さぁ私が番組でマチガイダを紹介したお陰で食べられるダカレーを召し上がりつつ、私の話を聞いてください。実は…」

「ええっ?交換条件だったかーwあぁ美味い!この辛さが骨髄に沁みるンだょな!もう何でもウケちゃう。で、何?」

「では先ず、福神漬け代わりにテリィ様好みのこの1枚からプリーズ」


目の前に出されたスズキくんのスマホにはコスプレ女子の…その、アラレもナイ姿がw

鳥を思わせる白ヘル&サイハイブーツ、ピンクのノースリーブのミニスカワンピース!


で、失神KOされてミニスカまくれたまま何処かの路上で大の字になってノビてるw


もしかして…コレは"雅楽忍者隊"の"白鳥の和琴(わごん)"ではナイでしょうか?

ハイキックを繰り出す度にパンチラにドギマギした昭和なアニメヒロイン!


この画像でゴハン3杯はイケるな笑

鳥ヘルで顔がよく見えないけどw


「ど、どーしたのコレ!夏コミのコスプレ?有名な(コスプ)レイヤーさん?個撮OKかな?¥9000/hくらい?えぇーいコウなったら動画込みで¥14,000/hでどうだっ?!」

「テリィ様、落ち着いて!これ位ならいつでも私がコスプレしてあげますから…と逝うか、この子、もしかしてカリナちゃん?メイドカフェ"シュガースター"の」

「ええっ?よくわかりますね?実は昨夜オンエアしたばかりのメイドの子なんです」


カリナさんは"シュガースター"のメイド長で、実は僕も会ったコトがある。

と逝うか、政府の新システムが彼女をテロリストと誤認して大騒ぎになって…


まぁ僕の小学校時代の同級生のタチマン弁護士が"アキバハンマー"として法廷デビューするキッカケとなった事件の依頼人なんだ。


確か彼女のTO(トップヲタク)はマイル。


「彼女は、TO(マイルくん)と一緒に出演して、まぁそんな倦怠期にも見えなかったんだけど、実は、前の晩に見たOVAが忘れられなくて、つい個人的趣味も手伝いバード系ヒロインを薦めたら、もうTOのツボにハマっちゃって。いやぁ番組もエラい盛り上がってスゴかった!数字(視聴率)も最高でした」←

「ええっ?ドクターのコスプレ診断って、実はそんなレベルなの?少しいい加減なのでは…」

「あ!いえいえ!決してそんな!」


いいぞ!ミユリさん、目を醒ませ!


「ホント、スズキくんって昔っからいい加減なトコロがあったょね!ホラ僕達も、あの"萌えプリンセス"の時にエラい目に遭ったっけ…」

「わーわーわー!急に何も聞こえなくなったぞ!そんなコトより、この子が心配じゃナイんですか!心当たりとかナイんですか!朝、突然、写メが送りつけられて来たんですけど。コレ、何処でしょう?彼女、無事でしょうか?まさか、未だこの格好で倒れてたりして。コレは重大インシデントです!アキバのリスクテイカー、最強コンビの出番しかないっ!」

「ドクター、格好とか仰らないで。せめてコス(プレ)って逝ってくださらない?とりあえず、御屋敷(シュガースター)TO(マイルさん)に連絡入れてみましょう。ねぇ?テリィ様」


うーん。そ、そうだなぁ何かコス撮の続きって気もするんだけどね←

とりあえず手がかりのカリナさんの失神画像、僕にも送ってくれる?


えっ?ダメ?笑


第2章 流血のコスプレバトル


カリナさんは元気…だ。


うーん。元気でいいのかな?左手を首から釣ってるし頭に包帯も巻いている。

実は右目に眼帯もしてルンだけど、コレはどうやら"厨二"的な意味らしいw


カリナさんと連絡をとると、何と彼女は"シュガースター"で開店準備の最中w

早速、僕は自分の御屋敷の開店準備をつぼみんに任せたミユリさんと直行する。


「ああっ!ミユリ姉様、御心配おかけしたみたいでゴメンナサイ!そんな画像が流出してるなんて知らなかったモノですから!」

「まぁ!カリナちゃん、とりあえず無事で良かったわ。何か心配しちゃった。でも、あの画像は何?と逝うか、そのケガはどうしたの?」

「ホントに御心配おかけしてスミマセンでした!でも、どうしても1回出てみたかったんです!"熱血!コスプレバトル"!」


え?"熱血!コスプレバトル"?何ソレ?


「えっ?御存知ないンですか?何か、最近ネットでスゴいコトになってるのに…わかりました!百聞は一見にしかずと申します!とりあえず、私のゲームを御覧になりますか?お話しするより早いので。私、負けちゃったんでお恥ずかしいですけど」


だが、特に恥ずかしがる風情もなく、イソイソとPCで画像を呼び出すカリナさん。

僕達の方へPCを向けてくれ、僕とミユリさんはオデコをくっつけるように視聴←


夜の駐車場に群衆が集まっている。


ほとんどが男性で、ほぼ間違いなく全員が缶ビールを片手に何かを待っている。

ソコへ、道路の向こうから白ヘルメットに黒マントの怪しい人影がやって来る。


ココで画像にテロップ。


「ワゴン・ザ・黒鳥(ブラックスワン) 82:60:85 Dカップ デビュー戦」


え?もしや…と思う間も無く、黒マントが宙に舞い"雅楽忍者隊"の女忍者が現れる!

げげっ!コレ、カリナさん…だょな?僕とミユリさんは思わずカリナさんを見上げるw


「エヘッ!Dカップのハズないですょね。ごめんなさい。勝手に描かれちゃって。あ、でも絶対、自己申告じゃナイんですぅ!」


うーん。そーゆー問題ではなくて、コレは一体なんなんだ?コレから何が起こるのかな。

駐車場の中央でポーズを決めコスを披露するカリナさんを取り囲み群衆が輪になり歓声。


バタン!


今度は、効果音っぽい音と共に、駐車場を見下ろす雑居ビルの外階段2Fの鉄扉が開く。

逆光でよく見えないがコチラはノーヘルで腰まであるツインテ、ミニスカに赤ブーツw


またまた画像にテロップ。


「ブラディ・セーラームーン 85:60:88 Fカップ 7勝1敗」


おおっ!今度はセーラー戦士コスのレイヤーさんが登場!何の勝敗か知らんが経験豊富?

群衆がさらに大きくどよめき、不気味に外階段を降りて来た彼女を輪の中に招き入れる。


「愛と正義の、セーラー服美少女バトラー"ブラディ・セーラームーン"!月と違ってぇ…早起きょ!」


派手なアクションを決め、カリナさんを正面から指差しセーラー戦士が挑発する!

が、暗がりとは逝え、美"少女"と呼ぶには少々無理あって"美アラサー"とかw


とにかく!


いきなり手四つに組み押しつ押されつの後、カリナさんが"パンチラのハイキック"!

セーラー戦士の腹に決まって片膝つかせた黒鳥ワゴン、さらにセラムンの頭を鷲掴み!


首投げからの裸絞め!そして、え?まさか…


黒鳥ワゴンがミニワンピの脚を振り上げ(パンチラw)セラムンの頭を膝に叩きつける!

椰子の実割り?コ、コレは往年のG馬場の得意技ではないか!レトロだ!今は昭和か?


黒鳥ワゴン優勢!喝采が沸く!


ところが、突如黒鳥ワゴンが苦悶の叫びをあげ、股間を抑えて路上に崩れ落ちる!

不敵な笑いを浮かべ見下ろすセラムンの拳にメリケンサックが光る!凶器攻撃だ!


何処を殴ったんだょw


この後は一方的で、セラムンは卍固めからの弓矢固め、トドメにア式背骨折りをキメる!

泣き叫ぶ黒鳥ワゴンを駐車場の路面に転がし連続キック!耐えるワゴンはピクピク痙攣w


そして、フィニッシュホールド!フラフラのワゴンを立たせて逆さに抱え上げる!ミニスカワンピは全開で、群衆が大きくどよめく←


「ムーン・ティアラ・脳天杭打ち!」


セラムンの決め台詞を集音マイクが拾った次の瞬間、ワゴンの鳥型メットが駐車場の路面にメリ込む!ピンクのバイザーが砕け散る!


暫くカリナさんの肢体は倒立していたのかもしれない…いや、実際はほんの一瞬だろう。

やがて、グラリと崩れ路面に叩きつけられるように大の字に倒れる。完全に失神してる。


あ、あの画像はコレだ。


"愛のコスプレ診断"がオンエアされた翌朝にアキバに出回った画像は"熱血!コスプレバトル"のフィニッシュシーンだったのだ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その後、セラムンは失神した黒鳥ワゴンを踏み付けて勝利の雄叫びを上げる。

群衆も拍手喝采で応え、その間カリナさんはピクリとも動かず動画は終わる。


いやはや、僕もミユリさんも呆気にとられて口をきくコトが出来ない。

コレは…プロレス?昔、みさニャンがやってた地下プロレスの類かな。


ふとメジャーデビューを控えたみさニャンのために、過去バレグッズを必死に買い漁って殺されかけたケンタさんのコトを思い出すw


元気かな←


「カリナちゃん。カリナちゃんが…その、何て逝うの?まぁ、その、コスプレして戦ってる?コト、TO(マイルさん)にはお話ししてあるの?」

「あ、実は未だなんです。だから、私がもっと強くなって有名バトラーからの大女優に化けたら、マイル様もビックリですょね!実は、事務所から情報解禁はネットのアクセス次第って逝われてます」

「えっ?コレって事務所経由のお仕事なの?ソレってもう色んな意味でプロレスょね?」


そうなんです!とカリナさんが話すには…


"熱血!コスプレバトル"は、アメリカで流行ってるマッドレスリングが原型だ。

レスラーが戦うのは、リング以外の場所、例えば駐車場やオフィス、廃ビルなど。


誰が始めたか、アキバの場合はヒロインコスのレイヤー同士が戦うスタイルが定着する。

過激さがウリだがモチロン武器はホンモノではなく、本気で殺し合ってるワケでもない。


実際、カリナさんも失神のフリ、技も受身をとり、ホンモノは絶叫と悲鳴だけとのコトw

ソレでも有名ゲームは百万件近いアクセスが殺到、下手なYOUTUBERなどかなわない。


既に、一部の有名バトラーにはスポンサーがつき始め、大金が動き出す気配もある。

その内、企業のロゴをまとったスーパーヒロイン同士のゲームが行われる日も近いw


カリナさんの口調も熱を帯びてくる。


「ね?下手なネットアイドルそこのけの世界ですょね?みんな、レイヤー発のトップモデルや女優を目指す子ばかりです。アキバの地下からメジャーに飛び出すルートがまた1つ増えたンです!」

「うーん。でも、頭を包帯でグルグル巻きにしたメイドさんに力説されてもなぁ。ホントにケガとか大丈夫なの?さっき痙攣してたょね?」

「ソコ!ソコがポイントです!実は、技はかける方より、かけられる方がギャラがいいのです。多分、私のギャラはブラディ・セーラームーンさんの5割増しぐらい?逝っては悪いけど、彼女は盛りを過ぎた咬ませ猫(犬?)なので。だから!あのゲームのヒロインは、わ・た・し!」


そ・う・か!


しかし、ホントに勝敗は関係ナイのか?

どーゆー給与体系になってルンだろうw


「実は"時間給"と逝うボーナスがあって、コレは技をかけられてる時間に比例して増えるンです!全部、画像認証で瞬時に加算され、特にフィニッシュシーンで踏みつけられてる時なんか"神単価"が適用されるし、踏まれる場所によってもボーナスが…」

「うーん。ところで、そーゆールール?に基づくアルゴ(リズム)を描いたり、ゲームのマッチメイキングとかは、誰がやってるのかな?"コスプレバトル"のコミッショナーみたいな人がいるの?」

「いいえ。私は、コスプレバトルの関係者とは、誰とも会ったコトないし、電話で話したコトもありません。大体、バトルの1時間前ぐらいにTwitterで告知があり、急いでコスプレして駆けつけるって感じです。お客さんもSNSで集めてるみたいです。あ、今夜も中堅さんのゲームがあるんですけど。行かれてみたら如何ですか?」


えっ?今夜かょw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


で、今夜←


今回の"リング"…じゃなかった"バトルフィールド"はパーツ通りの雑居ビルの屋上。

既にTwitter上では"#コスプレバトル"でネズミ算式の大規模拡散が始まってるようだ。


おかげで超満員w


詰まって人が動かない外階段で屋上の方を見上げていたら、いきなり歓声が沸き起こる。

ゲームが始まったようだが、さすがは中堅、いいタイミングで何度もドヨメキが起こる。


実は、今回はミユリさんの他にサイバー屋のスピアも一緒なんだが、周りは全員が男性。

お約束の缶ビール片手のスタイルで大人しくしてるが、どうもゲームは見れなさそうだ。


「ねえねえ、ミユリ姉様。せっかくだから、私達もココでバトルしてみませんか?姉様はメイド服だし、私、ジャージの下はスク水なんですょ。ダークメイドクイーンvsさわやかスク水ガール!なんちゃって!」

「何で私がダークでスピアさんだけが爽やか&しかもガールなの?私もダークは諦めるにしてもwせめてプリンセスにしてょ!ソレに、またそうやってテリィ様の前でバスト自慢をするつもりでしょ?その手にはノらないわ。さぁテリィ様からお願いされたお仕事をキチンとして頂戴。ね?テリィ様」

「うーん。でも、せっかくのスピアからのお申し出だしなー。しかも、スク水vsメイド、爆乳vs貧…いや微乳、元カノ会長vs今カノだぜ?こりゃ美味し過ぎる…」


すると、ミユリさんがカッと目を見開きデス光線を発射…


寸前で、突如として爆発的ドヨメキが沸き起こって話は中断となる(危ねぇw)。

声援から察するに片方はワンダーウーマンのようだが相手はよくわからない←


やがて、片方の泣き叫ぶ声に他方の雄叫びが被って、どうやら決着がついたようだ。

早速、誰かがTwitterでつぶやいて、ゲームの結果は光の速さで世界中?を駆け巡る。


win カルト・ヒロコ vs ビッグバッドワンダーウーマン lose (リボン窒息固め)


カルト・ヒロコは、新体操バトラーとのコトで、やがて客に混じり外階段を降りて来る。

白の袖付きレオタードに棍棒やらリボンやらの新体操グッズを抱え意気揚々と引き上げ…


あ、あれ?リボンさんじゃないか?!


新体操の選手をマネて髪がUPでシニョンにまとめたりしてるからわからなかったけどw

狭い外階段での一瞬のコトで、リボンさんも気がついてお互い驚いた顔のまま擦れ違う←


モチロン"山崎浩子"には全く似てない笑


続いて、失神したグラマラスなワンダーウーマンがコスプレ男性に抱き抱えられて登場。

ん?抱えてる男性は今度は頭にハンマーの被り物?ま、まさか"アキバハンマー"かょ?


と逝うコトは、敗れたワンダーウーマンは彼の奥さんのエリカさん…か?


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「エリカ!いつまで旦那様にお姫様ダッコされてるつもり?もうとっくに目が醒めてんでしょ?負ける方がギャラがいいってバレてるのょ!早く起きなさーい」

「なーに。この夫婦の時間が大事なんじゃない。わかってないのょね、ミユリは。結婚生活と逝うモノが」

「おい、タチマン!ヨダレが出てるょ、ヨダレが!嫁サンのコスプレ失神ポーズにいつまで発情してンだょ?」

「あぁ驚いた!今宵のMバトラーがテリィたんのお友達だったなんて。そうとは知らずに思い切りリボンで首を絞めちゃったけど、大丈夫でしたか?ホントに窒息しなかった?」


解説しよう。


先ず、場所は"アキバハンマー"ことタチマンの弁護士事務所で、タチマンは僕の小学校時代の同級生で有名なコスプレ弁護士←


ハンマーの被り物で法廷に現れては文字通り悪を叩く彼は最近結婚したが、お相手はヤタラ風営法に強い敏腕司法書士のエリカさんw


で、このエリカさんはアキバが長くてミユリさんとも深い付き合いだが、まーさか"コスプレバトル"やってるとは知るハズもなく…


「エリカ、いつの間に"バトラー"やってんの?ソレもよりによってワンダーウーマンって何ょ?アキバとは何の関係もないじゃないの。ソレに…少し太った?」

「失礼ね!はち切れんばかりのナイスバディと逝って欲しいわ!ミユリ、その感じじゃ私達が出た回の"ドクター外神田の愛のコスプレ診断"を観てないわね?ワンダーウーマンはドクターのお見立てなのょ。案の定、旦那のツボにドンピシャ。あぁサスガはドクターだわっ!」

「だから、タチマン!ヨダレが垂れてるって。ホラ、嫁サンの谷間に…胸の」←

「ホントにゴメンナサイ!だって、オファがAAだったモンだから。私も突然Sバトラーやれって逝われて、実は今宵がSデビューだったの!加減がワカラなくてゴメンナサイ」


さっきからの発言順が、ミユリさん、エリカさん、僕、リボンさんなのは逝うまでもない。

僕以外の(ついて来たスピア&ハンマーの被り物のタチマン含む)全員がコスプレしてるw


周りは六法全書に囲まれてるがw


しかし、とりあえずリボンさんの発言が気になるな。

僕達(=カリナさん)の知らない単語が連発されている。


「リボンさん。さっきからSとかMとかオファがAAとか話がよく見えないンだけどな」

「え?だってテリィたん、あの"コスプレバトル"ってヤラセなのょ?予め勝ち負けは決まっててSがMを好きな技でフィニッシュするの。だから、余り大きな声じゃ逝えないけど、SのギャラはMの倍なんだから。で、フィニッシュにはグレードがあって、AAは本気で半殺しにするからギャラも最高なの!」

「ちょっち、アンタ!新体操バトラーのアンタ!ソレで私を、あんな目に…本気でリボンが食い込んで、もうホント死ぬかと思ったンですけど!失神と逝うより、仮死状態だったからっ!私に何の恨みがあんのよっ!」

「だ・か・ら!貴女には何の恨みはありません。そうじゃなくて、貴女が誰かの恨みを買ってるのょ。その誰かがウチのコミッショナーにAAのオファをして、私はソレに従っただけ。因みに、貴方を殴った棍棒、いつもはフェイクだけど、今宵はホンモノだから」


火に油を注ぐ、とはこのコトかw


応接セットの低いテーブルをひっくり返したワンダーウーマンがヒロコに飛びかかる!

その首には、確かに殺意のこもったリボンが食い込んだ痕跡がクッキリと残っているw


あわや"コスプレバトル"の第2ラウンドが本気モードで始まりかけ、タチマン以外の全員が慌てて両者に飛びつき全力で引き離す。


タチマンだけが…妻のバトルに見惚れてるw

(↑コイツは完全に終わっテルな笑)


「でさ!まぁ、とにかく!落ち着いて!リボンさん、貴女はSとか、オファはAA、とか指示してるのは誰なのかな?そのコミッショナーとは会ったコトあるの?」

「モチロンないわ。いつもTwitterで指示されるだけ!ワンダーウーマン、も1度、落としてやるわょ!キェー!」

「よっくもモノホンの棍棒で殴ってくれたわね!アメコミヒロイン、舐めんなょ!昭和なレオタードのオタンコナス!」

「何だかよくわからないけど、私もスク水になっておくわ!今宵は水着は水着でもビキニなんだからっ!名付けてスクールビキニよっ!」


ドサクサに紛れて、ジャージを脱ぎ捨て…その、まぁ、スクビキ?になるスピア。

彼女は、よくハッカーに脅されて水着にされて泣いてたが、実は見せタガリかょ?


で、ちゃんと仕事はしてくれたのかな。


「毎回"コスプレバトル"をネットにUPするための画像を撮るカメラが"バトルフィールド"だっけ?の近くに設置されてたと思うの。今回テリィたんに逝われて探してみたら、屋上を見下ろす、お隣の高いビルに設置されてた。で、画像は、リアルタイムで多分アキバの何処かに転送されて、恐らく今頃、誰かがネットにUPする準備をしてる。でね、今回、送信先のIPアドレスがトレース出来たの。だから、ソコが"コスプレバトル"のコミッショナー?さんの居場所じゃないかな、って思います。以上!じゃ、テリィたん、いい?私も」

「おぉ!よく出来ました!じゃ特別にバトルに参加してよいょ」

「ひやっほー!ビッグバッドワンダーウーマンにカルト・ヒロコ!覚悟なさい!私は"魔女っ子バトラー☆スクビキ"!特にモノホン棍棒のないヒロコ!アンタなんかひとひねりよっ!」

「わぁ何も頼んでないのに勝手にちっちゃい加勢キター!シッチャカメッチャカでもう収拾つく気がマルデしないけど、全面崩壊する前に、メイドの土産に聞いてやる!カルト・ヒロコなんて名乗って、アンタ、ホントに新体操の経験あるの?トリャー!」

「モチロンないわ!TVなら見たコトあるけど!ソリャー!」


そんなコトだと思ったょw


第3章 塔の上のコミッショナー


イカした野郎だ。


スピアがトレースしたIPアドレスから"コスプレバトル"コミッショナーの居場所が判明。

えっ?空中?あ、タワーマンションの最上階かwお金持ち?早速ミユリさん(私服)とGO!


オートロックは宅急便のお兄さんと突破←


37Fでピンポンすると、意外にもアッサリとドアが開いてポロシャツ爽やか野郎が登場。

地下格闘技の闇プロデューサーと逝うより、シリコンバレーのスタートアップCEOだょw


「やぁ!誰?」

「SF作家とメイド長のコンビです」

「ええっ?あのミユリメイド長と、お連れのテリィたん?マジ?ドア開けて正解じゃん!」


驚き方まで爽やかだw さらに…


"Dolly!A real Akiba maid is here!"

"Realy?"

"Wow!Bond girl?"


僕も思わず英語が口をついて出る(ウソ笑)。


爽やかシリコンバレー野郎の後ろから顔をのぞかせるのはホンモノのブロンド美女だw

金髪&長身&グラマー!American sweet heartの3原則に則るハリウッド女優風の美女!


もしや、この金髪と同棲中?

何者なんだ?変態お金持ち?


まさか、ホントにジェイムス・ボンドの敵役みたいに世界征服とかマジ狙ってる系の人?


「まぁ、お入りください。特に、ミユリメイド長はゼヒお入りください。あぁDollyもホントに喜んでるなぁ。みんなウルトラハッピーだ」

「突然押し掛けてスミマセン。いきなりステーキ、じゃなかったイキナリですが、貴方、お名前は?」

「あ、申し遅れました。私はタワーマンションの住人で、トロイと申します」


全然トロくないょな←

豪華なソファに座るw


でも、勝手に押し掛けた僕達に名乗らされ、お茶まで出す。

ココは、もう少し強気で、一気に押してみるのもいいカモ。


「最近、下界wで流行ってる"コスプレバトル"なんですが、トロイさんがコミッショナーとお見受けしたのですが、ズバリ如何でしょう?」

「"コスプレバトル"?あぁ、あの"街かど週末プロレス"ですね?はいはい。如何にもプロモートしてますょ。そうそう。実は友達から持ち込まれて、最初はコスプレしてあげるから手伝ってって逝われて始めたンだけど、スポンサーが続々つき出して、正直、さばき切れなくなってる。会社でも立ち上げて誰かにマネージメントをお願いしようかと思ってます。あ、そうだ!何かと秋葉原にお詳しいお2人、一儲けしてみませんか?お2人になら、安心してお任せ出来ちゃうなー。特に、ミユリメイド長には」

「あくまで、テリィ様の御参考に供するための質問ですが"コスプレバトル"のルールを決めたりマッチメイキングとかは、トロイ様がなさってるのですか?」


ドリィさんが、紅茶を淹れてくれ…ルンだけど、いつの間にかメイド服になってるw

しかも、ティーカップをサーブする時に胸の谷間がヤタラ深く強調されケシカラン←


それから、コレはもー慣れたけど、紅茶のサーブがミユリさんが先なんですけど←


「いいや"街かど週末プロレス"のマネージメントはもっとハイテクなんだ。私自身は実際に戦う女子バトラー達とは会ったコトもない。会場を設定しバトルの1時間前にTwitterやメールなどのSNSで発信する。すると、ファンが現れバトラーが駆けつけ、後は動画を配信するだけだ。まぁ、ちょっち効果音とかテロップを入れたりはするけどね。そこらのフラッシュメモリに全バトルの様子が入ってる。女子バトラーや関係者とのやりとりは全て僕のスマホに入っている。ソレだけだけど?」

「じゃ、しつこくて申し訳ないのですが、マッチメイクとかは何方が?」

「ソレはさ…」


ええっ?そうだったの?


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


次の日の夜。"ドクター外神田の愛のコスプレ診断"オンエア。


「実は意思疎通に問題があるンです、私達。ドクター、何かアドバイスを」

「ソレだけじゃ何もわからない。もっと踏み込んで全てをさらけ出さなきゃ。セックスは?」

「暫く遠ざかっているけど、御主人様との相性は良いと思います」

「もしかしたら、僕達はお互い、前の推し、前のTOのコトを引きずってルンじゃないかな?」

「御主人様の前の推しは、心を病んでいましたょね?」

「君の前のTOは巨乳好きだった」


瞬間、ミユリさんがカッと目を見開くがデス光線の発射寸前で理性を取戻す(危ねぇw)←


「私達は子供でした。私は、メイドとして未熟で御主人様に尽くせなかった。でも、私達は変わったの。あの頃とは違う」

「僕は、今のアキバが好きなんだ」

「私は、今の御主人様が好き。私達は、オトナになれたのょ」

「2人とも実に素晴らしい。あるがままで。そろそろ時間だけど何か逝いたいコトはあるかな?」

「ごめんなさい、御主人様。色々と」

「僕こそ。傷つける気はなかった。メイドを想う気持ちは、出会った時からずっと変わらない」

「よし今宵も解決だ!では、いよいよ最後に"愛のコスプレ診断"の時間です!さぁ!迷えるメイドはどんなコスプレをするべきなのでしょう?今宵の私、ドクター外神田の診断は?!」


第4章 血闘!ミユリさん vs カウガール


ミユリさんのコスプレは"ダークナイト・セレナーダー"だ!


僕の作家としての出世作"地下鉄戦隊メトロ・キャプテン"に登場する途中ヒロインだ。

あ、途中ヒロインと逝うのは、Xマス商戦向けに10月頃に登場する"悪の女幹部"のコト。


今年も大当りで、戦隊モノの女児マーケットを掘り起こして文字通りの千両役者となる。

実は、デザイナーに頼んでアメコミ調のハイレグワンピのコスチュームにしたのも正解。


前々からセーラー戦士のミニスカは余計だなと思ってた僕は"してやったり"って感じ。

あ、ホンモノの"ムーンライト・セレナーダー"は白ワンピだけど、今回はその黒版だ。


何しろ"愛のコスプレ診断"に生出演したミユリさん(と僕)は、そのまま引き続き"コスプレバトル"に参戦するコトになったのだw


で、今宵のゲームは、メイド通りの裏で取壊し中だった廃ビルの3Fで既に始まっているw

相手は、本場アメリカのプロ?チアリーダーでヘソ出しブラトップに白のホットパンツ!


何と…タワマンにいたドリィさんだw


"Here is your Yamato Nadeshiko!She will lose me tonight!Give up?(大和撫子がこのザマょ。彼女は今宵、私に負けるの!降参?)"

"Never!(いやょ!)"

"You're hart me so easily. Cry!(貴女、いとも簡単にヤラれてるわ。泣き叫べ!)"


始まりから本場のチアリーダーを彷彿させるハイキックでミユリさんの腹を蹴り上げる!

素早くミユリさんの背後に回り尾骶骨割り、岩石落とし、肋折りで締め上げ絶叫を奪う!


"Oh poor baby!You already see a champion lose?(可哀想にね!みんな、チャンピオンが負けるのを見る準備はいい?)"

"NO!I'm not yet lose to you(らめぇ!私はまだ負けるワケには逝かないの)"

"Special move!Some like teach you!(スペシャル技ょ!貴女に教えてあげる!)"


ドリィがミユリさんを逆さにして背中を合わせ四肢をロックし背中を絞る残酷技を披露w

ゴ式逆背骨折り!脱出不可能で泣き叫ぶミユリさんを上下に揺さぶり非情にギブを迫る!


"Hahahaha!Ask her!(ハハハ!彼女に(ギブアップか)きいて!)"

"Ahhh!(いやーん←)"

"What do I do next?(次はどうしてやろうかしら?)"


拷問技をキメられて泣き叫ぶミユリさんを群衆に見せつけるように一回りするドリィ。

耐え切った生贄を床に落とすが、既にミユリさんは四肢が痙攣して消耗し切っている…


が、ドドメを刺そうと髪に手を伸ばすドリィに腕十字をキメたミユリさんが背後に回る!

そのままドリィの腰に手を回し後方へと反り投げ、ミユリさんは爪先立ちしてブリッジ!


原爆固め!


大和撫子が起死回生の原爆技をアメリカン・カウガールに見舞う!

後頭部を打ちつけたチアリーダーは、白眼を剥き口から泡を噴く!


ミユリさん、鮮やかな逆転。

僕の番組のヒロインの勝利←

(悪の女幹部だけど↑)


素早くミユリさんが立ち上がってVサイン!

ドリィは技が決まった姿勢のままで失神w


さらに、ミユリさんは虚空に向かいネット用の雄叫びを上げ何事かを叫ぶ。史上空前の大観衆に手を振り、そして、僕には投げキス!


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


そう。史上空前の観衆を記録したのだ。


集まった観衆はもちろん、ネットのアクセス数も天文学的な数字を記録する。

トロイさんの"勘"で今回初めてリアルタイム配信に踏み切ったが大成功だ。


編集バージョンのリリースを待たずにスポンサーが殺到し、今や"コスプレバトル"は完全にコマーシャルベースのスポーツとなる。


今後は、参戦するバトラーの質も向上して、アキバのストリート発の良質エンターテイメント産業へ発展して逝く道筋が見えて来る。


もちろん、このメジャーへの道筋は、アキバで働く全てのコスプレ女子に開かれている。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


さて、そろそろお終いなんだけど、あ、そうそう、大事な話をし忘れているねw

最初に"コスプレバトル"をトロイさんに売り込んだのは、実はサリアさんだ←


まぁ、関係者全員が"愛のコスプレ診断"の前後にバトルに巻き込まれていたから、実は最初から怪しいとは思っていたんだけどね。


彼女は、日々"愛のコスプレ診断"に応募してくるメイドの中からバトラーを選んでる。

何しろ、悩みから何から直接面接して聞いてるし、連絡先も全部抑えてるから話が速いw


ルックス、体力、上昇志向などから、コレは!と思うメイドに番組終了後に連絡を入れる。

誘えば、バトラーを断るメイドは皆無で全員"コスプレバトル"に身を投じてたらしい。


そうこうする内に、サリアさん自身もコミッショナーとしてアキバの地下で有名になる。

すると、誰からともなく「あのメイドを痛い目に」と逝って来る輩が現れるようになる。


不味いコトに、サリアさん自身も太腿フェチで「好みの太腿の子同士を戦わせたい」とか妄想しだすと、もう手がつけられなくなるw


そうした"片寄った"マッチメイクが増えるコトは"コスプレバトル"自体が健全?なエンターテイメントとなる阻害要因でもある。


今回、マッチメイキングはサリアさんがしてると教えてくれたトロイさんからのリクエストもあり、ミユリさんに一芝居打って貰う。


ミユリさんは、あの壮絶なバトルの果てに文字通り満身創痍になりながらも宣言をする。

そのセリフは、現場では大歓声に掻き消され全く聞こえなかったが集音マイクに拠れば…


「…ありがとう、みなさん!みなさんの応援で大和撫子がアメリカンギャルに原爆固めで勝つコトが出来ました!こんな素晴らしいゲームが出来るよう、今宵からマッチメイキングは、みなさんのクリックで決まるコトになりました!さぁ明日のために今宵もクリック、よろしくお願いしまーす!」


ココで"ウォー!"と地鳴りのような歓声が湧くが、コレは恐らくトロイさんの編集だw


「ソレから、みなさん!明日から本バトルの女子コミッショナーもバトラーとして参戦致します!その名は"アンフェアー・サリア"!太腿の綺麗な美女バトラーよっ!さぁ!今宵も寝る前に"アンフェアー・サリア"に忘れずワンクリック!よろしくねっ!」


おおっ!どんなコスプレなんだ?ニーハイ?

スズキくんは間違いなく喜んでるだろうなw


そして…サリアさんは慌ててる笑


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


翌日、御屋敷(ミユリさんのバー)にスズキくんが出現。


「おっ?デビュー戦が決まったんだって?"アンフェアー・サリア"」

「そうなんです!お相手は"ビッグバッドワンダーウーマン"さんです」

「え?タチマンの奥さんの?」


ソコへ当のサリアさんも出現。


「わっ!コレは意外な展開w」

「実は浮気してたんです、ウチのスズキさん。ワンダーウーマンさんと」

「ええっ?!ちょっち意外過ぎるょ、この展開は。あ、ソレでワンダーウーマンはセーラー戦士にAAオファで公開処刑にされてたワケか…」


サスガの僕も思わず仰け反るw

しかしスズキくんは屈託ナイ←


「でも、もうキッパリ別れました!今は"アンフェアー・サリア"命なんですっ!」

「何だか、もう予想外、想定外、電気街なんだけど、ソレでもいいの?"アンフェアー"的には?」

「あの頃、私はカレを喜ばせてあげられなかった。だって、ワンダーウーマンは太腿が綺麗だったから。でも、今は違う。もっと綺麗な太腿がアキバにはあるの。ソレは…ミユリ姉様ょ」


おぉ、そう来たか!


やっぱり、女性は胸より脚だ。だから、ミユリさんにも分があるんだが…

当のミユリさんは、泣き笑いな顔して"何とかして"って僕に訴えてるw


「まぁ、フェチまで逝かなくても、誰でもそそられるモノってあるょね。ソレにそそられるのは、ヲタクの自由だ。ミユリさんにだって、何かドキッとするモノって、やっぱりあるしね」

「だ・か・ら!ミユリ姉様には、次の"コスプレバトル"の時には、ゼヒこの金色のガーターをつけて欲しいの。セクシー&ゴールドのガーター。コレって"ドクター外神田の愛のコスプレ診断"が提唱する"倦怠期の御主人様にメイドが刺激的なコスプレをしてヲタ活を活性化する"と逝う、番組の趣旨にも全く合致した…」

「あ・の・ね!私、少なくとも暫くの間は、コスプレするコトはあっても"コスプレバトル"はやらないから!だから、折角のゴールデンガーターだからいただいとくけど←、バトルは暫く結構。もぉ私が技をキメられて、悶え苦しんでるトコロなら、テリィ様にもうタップリ御覧いただいたから。ね?テリィ様」


ハ、ハイ。ソレはタップリと。

でも、未だオカワリ出来るょ←


「ねぇ。特別に頼んでみるけど、テリィ様にお願いして"地下鉄戦隊メトロ・キャプテン"の中で、リアル"ムーンライト・セレナーダー"さんにつけてもらってはどうかしら。ソレならいいでしょ?地上波ょ?」


おおっ!ソレはいいカモ!

でも…子供番組なんだぜ笑



おしまい

今回は海外ドラマなどで見かける"コスプレバトル(blood and guts brawling)"をネタに、スマホTV局の人生相談番組の出演者や地下バトルをプロデュースする富豪青年、その愛人のブロンド美女などが登場しました。


TVで見聞きするNYの都市風景を秋葉原に当てはめて展開する描き方で、しばらく逝きたいと思っています。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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