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その日
あなたがここに立つのは、これで二度目だろう。
空も大地も。ここに生える草木も、全てが白い。
あなたにとってこの空間は懐かしくて。
安心に満ちた、安らぎのような温かさを覚えるだろう。
しかし、それもすぐに忘れてしまうのだろう。
一度目のこの相対をこの瞬間まで忘れていたように。
この二度目の相対も、忘れてしまうのだろう。
あなたはそう思い返しながらも、正面に存在するそれに抑揚のない口調で声をかける。
アンタはこれでいいのか、と。
あなたが問いかけた存在は、何も変わらないよ、と穏やかに言う。
変わるのは目の前の人達が救われるか否かの違いだけ、と答える。
アンタは残酷だ、とあなたは言って。
あなたがそう宣言した存在は、そうかもね、と何も思ってないのか淡々と言った。
ただ。
その存在は、あなたに優しい眼差しを向けて言う。
誰もがそうであるように、これはあなただけの道だよと。