98/416
パパ登場
98
「美月!」
と、パパである大旦那が遅ればせながら登場。
めちゃくちゃ焦ってる。
「あ、パパ。もう、なんで宗辰お兄ちゃんがいるってこと言ってくれなかったの!?」
「言ったら押しかけてくるだろうが!」
「言わなくても押しかけるけどね!!よかった、ママがこのタイミングで出張になって。美月、今日からパパのとこから学校通うから。ママにはちゃんと言ってあるよ」
「はあ!?巧はどうしたんだ」
「兄貴には一応メールしておいた。でも仕事中だからまだ見てないんじゃない?」
「お前がくるなら、あいつも絶対くるじゃん……」
パパ、大変そうだな。
どうでもいいけど、一応ここ、図書館の分館なんだけど。
もうちょい静かにしてほしい。
「別に、パパがいやって言うならお兄ちゃんのとこ泊まるからいいけどー」
と、美月ちゃん、宗旦狐に絡みつく。
宗旦狐はだからそこあたしと代われって。