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あたしも掃除は得意ではないけども
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「柳原先輩も酷いじゃないですか。どうして俺も誘ってくれないんですか」
「お前、朝から授業だっただろうが。今初めてお前と会ったのに、どうやって誘えるんだよ」
「どうでもいいけど、僕の研究室ね、もう定員オーバーだから」
大旦那が意地悪言ってるわけじゃなくて、まじで定員オーバー。
大旦那の研究室は、本棚と机とあとゴミで本当に狭い。
大旦那が掃除できないせいで、大旦那のゼミ生が年に一度、研究室を掃除する会みたいなの開催するくらい汚い。
空き箱とか捨てろや。
本は元の本棚戻せや。
「ああ、用があるのはなるみさんにですから。お二人はどうでもいいです」
あ?あたし?
「資料室を開けてもらえませんか」
「あー、はいどうぞ」
あたし、宗旦狐に資料室の鍵を渡す。