先生たちとランチタイム
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「あいつ、恋愛感情あったんだ」
「それな」
安定の、大旦那の研究室。
大旦那と柳原先生とあたし、先週のオープンキャンパスと宗旦狐の話しながらお昼ご飯食べてる。
常勤講師は基本的に、木曜の午後から学科会議があるためその日は授業がない。
そして、その常勤講師が会議を行ってる間、非常勤講師が授業を行う。
お昼時にお邪魔したら、ちょうど二人とも仲良くお昼食べてたから、「あたしもいーれーて」と半ば無理やり入れてもらった。
で、全て話し終え、今に至る。
二人とも女子大勤務が長いせいか、口調がそのまま女子大生で笑えてくる。
うつっちゃうんだろうな。
「恋愛感情というか、人間的に好感が持てるとか、そんな感じじゃないんですかね」
「冷静だねえ、月川さん」
「いや、大混乱してます。ーー先生、恋愛ってなんなんですか。好きってなんなんですか。あの宗旦狐はなんなんですか」
「……宗旦狐?」
「ああ、朝倉先生のことです。名前が似てるから、あたしが個人的につけたあだ名です。茶道の得意な狐の妖怪ですよね、柳原先生」
「そうそう、千利休の孫に化ける頭のいい狐だよ。あいつにぴったりじゃないか」
大旦那、食事を終えると「へえ」とか言いながらソファで寝転ぶ。
興味ないらしい。