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ちょっと真面目に怖い
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あの人、なんなんだろう。
なんであたしに執拗に絡んでくるの。
なんで変えた香水の名前までわかんの。
ちょっと、真面目に怖い。
あれか?
香水の件はわからないけど、絡んでくんのは類い稀に見るデブスだからからかってるとか?
そうだったとしたら、奢ってもらったこととか全部忘れて全力で攻撃できんだけどなあ。
ふーん。どうやったら尻尾だすだろう。
「月川さん月川さん」
と、渡辺先輩があたしの肩叩いてくる。
「月川さん、朝倉先生とどういう関係なの?昨日も会ったって?」
目をきらきらさせて聞いてくる先輩。
……どういう関係?
そんなんあたしが知りたいですよ。
「向こうが執拗に絡んでくるだけです。昨日はたまたまあたしが働いてる図書館に先生がいらして、お昼をご馳走してもらいました」
「出会って間もないのに二人で食事!?月川さん、凄い子だったんだ」
凄い子?
ちょっとよくわからない。
「いいなあ、あんなイケメンに絡んでもらえるなんて」
男嫌いなあたしにとって、恐怖でしかないです。
でも、そんなこと羨ましがってる先輩には言えなかった。