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開いた口が塞がらない

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「あたし、仕事中なんです」


だから、あなたに構ってる暇なんてない。

というか、絡む相手、どう考えても間違ってんでしょ。

ほぉら、よく考えて?こんなデブスと絡んでなにが楽しい??



そんな思いを込めての台詞だったのに、宗旦狐はなぜか表情を明るくする。


「じゃあ、休日ならいいんですね?」


……は?


「ちがっ……」


「渡辺さん、今度資料室の予定表を俺のポストに入れておいてもらえますか。手違いで俺のにだけ入ってなかったみたいで」


「あれ、すみません。あとで入れときますね」


手違いじゃねえってわかってて言ってやがるなこの狐!!


「それじゃあ、佐々木先生に会ってきます」


宗旦狐、「お邪魔しました」と言って席を立つ。


それから、思い出したかのように、あたしに笑いながらこう言った。


「なるみさん、ミスディオールに香水変えたんですね」


……え。



開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと。

あたしは口を開けたまま、十号館に入っていく宗旦狐を見送った。

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