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おあいこだ馬鹿野郎
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「そりゃひでえ」
さすがの吉田も合コン男共の所業に顔をしかめた。
「ねえ、なるみ。もう一回合コンしよ。このまま終わらせたらだめだよ」
「なんで?」
「だって、男友だちこんなやつだけなんだよ?あんたそれでもいいのか!?」
「おい、こんなやつってどういう意味だゴラ」
吉田、花村に睨みきかせるも、花村は平然と「そのままの意味」と答えた。
吉田、「ウィッス」と大人しく引き下がる。
こいつら二人、仲良しだな。
「とにかく、なるみは街コンでも合コンでももっと男に積極的になるべき!」
「俺だったら、こいつに積極的に来られたら気持ち悪いと思うけどな」
酷い言い草である。
お前なんかに積極的にアプローチなんかすっかよ。
てゆーか、
「あたし、そもそも男嫌いだし。天敵だし」
吉田はついに泣き真似始めた。
「吉田は別だよ。あんたのことは男だなんて思ったことないから」
「……お前、それはそれでひでえな」
「おあいこだ馬鹿野郎」