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かまってちゃんはめんどい
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三人で適当な居酒屋に入って、久しぶりの再会に乾杯する。
あたし、安定のカシオレ。
「でさあ、聞いてよお」
花村、唐突に助けを請うかのように吉田へと手を伸ばす。
「うるせえ」
吉田、それを無言で払い落とす。
容赦ねえ。
てか、本題入るのはっや。
まだ酒一口しか飲んでない。
「で、眼鏡がどうした」
「そう、眼鏡。この間、二人で飲みに行ったんだけどさ。悪い人ではないんだけど、どことなくかまってちゃんオーラ凄くて」
「いいじゃんな、犬系男子」
と、あたしに同意を求めてくる吉田。
でも、
「いや、かまってちゃんはめんどい」
あたしにはあたしの時間ってものがあるから、それを侵害するやつは敵だ。
「それな」
花村が同意した。
「ただ、どっちかと言えばうちが甘えたいわけ。だから犬系はちょっとねえ。顔もそこそこだし、悪い人ではないんだけどねえ」
「贅沢なやつだな」
吉田は肩をすくめて生ビールを一口飲んだ。