変態やな
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「相手してやれ。こいつ朝からずっと『ああ、なるみさんのご飯が食べたい……ああ、なるみさんは今何してるんだろう……ああ、なるみさんの温もりがあああ』ってうるっせえったらない」
「変態やん」
ぼそりと大旦那。
否めねえ。
てか、事情をよく知らないであろう夏花先輩と仏の前でなんてことを。
「れ、連絡してくればよかったじゃないですか」
ふん。
同棲(仮)が終わってから一度も連絡して来なかったくせに。
「連絡したら会いたくなっちゃうじゃないですか!ーーお願いします、なるみさん。戻ってきてください。なるみさんのご飯食べてから、もう俺、インスタント食品が食えなくて……!」
「戻って……?」
あーもう、夏花先輩が戸惑っちゃってる。
「なるみさんとお兄ちゃん、期間限定で同棲してたんです」
と、すかさず美月ちゃんが説明。
「いや、月川さんと朝倉先生がいい仲だとは思ってたけど、そこまでだったとは……」
なんか仏にそんなこと言われると物凄い恥ずかしいんですけども!!
「さあ、後は若い二人に任せてじじいは退散しようかね」
と、柳原先生。
いっつも余計な気を回しやがる。
でも好き。
今度絶対生き人形の話してもらう。
「夏花さん、そろそろお昼だから、一緒にカフェテリア行きましょ」
「いいよ。じゃ、なるみちゃん後でね」
えっ、ええー、あたしもお昼食べたいぃ。
そんな心の嘆き虚しく、あたしと宗旦狐を残して資料室の扉は閉められた。