珍しく紀要がたっくさんあるなあ!
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ーー約一ヶ月後。
一月下旬。
大学は冬休みが開けて、テスト期間に入り、そしてまた長い長い春休みに入ろうとしていた。
この日は、秋学期最後の授業日。
珍しく二人勤務で、あたしと夏花先輩は久しぶりに顔を合わせた。
「この間、幼馴染の結婚式に行ってきました。花嫁さん、凄い綺麗でしたよ」
あたしが宗旦狐と同棲(仮)をしてる間に、吉田から結婚式の案内が実家に届いてたらしい。
年明け早々、その準備とかで忙しかった。
結婚式の日に初めて吉田の奥さんを生で見たんだけど、やっぱり吉田にはもったいないくらい可愛い人だった。
花村はその姿見て、「いつかうちも巧さんと絶対結婚式するから!」とか意気込んでた。
ただ、進展はまだないらしい。
「結婚かー。わたしもそろそろ本格的に婚活しないとなー。その前に痩せなきゃ」
おいおいおいおい聞き捨てならんぞ先輩?
そのぺったんこの腹のどこに余分な脂肪があるんだ?
「なるみちゃんはどうなの?朝倉先生とは?」
によによしながら迫ってくる先輩。
宗旦狐とは、冬休みが開けてから同棲(仮)を終えてそれから会ってない。
だから、多分二週間くらい顔を見てない。
向こうもテスト期間中だったし、連絡も取ってなかった。
「まあ……いろいろありました」
「いろいろって?」
「……いろいろです」
「急に顔真っ赤だけどどうしたの。……え、もしかして……」
「うわああ!紀要の受入やってなかった!やらなきゃ!!」
「なるみちゃん詳しく!詳しく!!」
うわー、珍しく紀要がたっくさんあるなあ!