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配架リーダー
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「月川さん」
と、配架リーダーのおば様からお声が掛かる。
ひい、怒られちゃう。
「す、すみません、直ぐ戻ります」
「ちょっときて」
おば様は小さく手招きしてあたしを呼ぶ。
あたしは宗旦狐に軽く頭を下げて、おば様のほうに向かった。
近づくなり、おば様はあたしの腕つかんで引き寄せる。
「あの人、月川さんの知り合い?」
「え……ええ、まあ?」
「かっこいい人じゃない。お昼くらい行ってらっしゃいよ!」
あ、そっち?
怒られんのかと思った。
「いや、でもお弁当作ってきてますから」
「それ、俺がいただきますよ」
ぬっと、後ろから声が聞こえてくる。
振り返ると、目をきらっきらと輝かせている宗旦狐。