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仏の苦笑

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資料室に戻るため、二階に降りる途中で仏に会った。


「北条先生、こんにちは。今学期もよろしくお願いします」


「ああ、月川さん。こちらこそよろしくね」


「昨日、飲み会だったそうですね。二日酔い大丈夫ですか」


「まあー正直今日は休みたかったね。久しぶりに飲んだよ。僕よりももっと休みたかった先生いるだろうけど」


「佐々木先生?」


「違う違う。新しい非常勤講師の朝倉先生だよ。昨日は歓迎会だったんだ。その先生、下戸なのに気遣って僕のペースに合わせてたんだろうね。一時間もしないで潰れたよ!」


そんな嬉しそうに「潰れたよ!」とか言わないでほしい。


それにしても、仏にペース合わせようとするなんて自殺行為も甚だしい。

仏は穏やかそうに見えて、かなりの酒豪だ。

日本酒一合飲んでも顔色一つ変わりゃしない。


「朝倉先生、どんな人でした?」


「いい男だったよ。あれは学生にちょっと人気出るかもね。僕なんて直ぐに忘れられるよ」


ちょっと何言ってんの。


「あたしは、先生のこと忘れません。先生のお葬式だって出るって約束したじゃないですか!」


「うん、棺に君の卒業制作入れてね」


「まかせてください!お腹辺りに乗せときます!」


仏はそれを聞くと、苦笑を残して授業をしに向かった。

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