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勝手に殺すな?

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昼食を終えると、病室に見知った子が顔を出した。


「なるみさん!」


美月ちゃんだった。

あれ、髪切った?

ショートヘア可愛い。

その背後には、巧さんと大旦那までいる。


あたしは笑顔で手を振って見せた。

美月ちゃんはあたしのベッドに近づくなり、


「なるみさん生きてた……うええええなるみざあん!」


とか言って泣き始めた。

おい、勝手に殺すな?


「月川さん、調子はどう?」


と、大旦那。


「来てくれて、ありがとう、ございます」


美月ちゃんの頭撫でながら、ここまで言うのがやっと。

端末のメモ機能で会話を試みることにした。


『声はまだ出にくいんですけど、大分いいです』


「無理しないで。ーー美月、いつまで泣いてんだ」


「だって……だってえ……美月のせいで、なるみさん巻き込んで……お兄ちゃんまで火傷させちゃって……本当にごめんなさいっ」


なるほど、美月ちゃんは放火した犯人が自分の旧友だったことに責任を感じてるらしい。


『美月ちゃんのせいじゃないよ。気に病むことないから』


端末の画面を見せるも、美月ちゃんの表情は晴れなかった。


「月川さんのご両親は?」


『今日は仕事に行きました。喉以外体調いいですし』


でもって、色々聞かれるとまずいこともありますし。

今日から両親には、仕事に行ってもらうことにした。


『巧さんも、来てくれてありがとうございます』


さっきから美月ちゃんのことを無言で眺めてる巧さんに、端末の画面を見せる。


「いえ……お元気そうでよかったです」


そう言いつつ、にこりとも笑わない。

相変わらず、シスコンで無愛想だな。

こりゃ、花村も難儀しそうだ。

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