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火事場の馬鹿力ってあのこと言うんだね

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「朝倉、先生は?」


あたし、少し抑え気味の声で花村に聞く。


「ごめん。うちも、よくわからないんだよね。なるみのあと助けた後、すぐどっかに行っちゃったから」


そっか。

テレビでは軽傷って報道されてたけど、なんでもなきゃいいな。


「でも、ほんと凄かったよ。先生がなるみ抱えて壁ぶち破った瞬間、爆発みたいなのが起きて。マジで映画みたいだった」


それは色々驚きだわ。

なにが一番驚きって、宗旦狐があたしのこと抱えられたこと。

火事場の馬鹿力ってこのことを言うんだな。


「火事場の馬鹿力って、あのこと言うんだね」


……他人から言われると、ちょっとぐさっとくる。



花村が帰った後、あたしは母が持って来てくれてたあたしの端末で宗旦狐に連絡を入れてみた。



月川なるみ:今日、目を覚ましました。先生のおかげで、命拾いしました。ありがとうございました。今度、お礼をさせてください。先生の怪我は大丈夫でしたか?



失礼のないように、何度も何度も誤字脱字がないかチェックしてから送った。

メッセージに既読マークがついたのは、送ってから数分後だった。

やっぱり早い。


今か今かと宗旦狐の返事を待ってたんだけど、結局返事は次の日になってもこなかった。


……宗旦狐があたしのメールを既読無視するなんて、初めてだ。

忙しいとか?

それか、怪我が思いの外悪かったり……?


暇つぶしのために、母が端末と一緒に持って来てくれた編物をひたすら編んだ。

二十段編んでは、端末で宗旦狐からの返事を確認する。

それを朝からずっと繰り返してた。

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