表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
250/416

そうだ……おおばあ様だ……

250


「なるみ、よくお聞き」


暗闇の中で、優しい声が聞こえた。


誰?

いつか、どっかで聞いたことがある。


だんだんと視界が明るくなった。


ここ、母方の祖父母の家のお座敷だ。

目の前には、布団を足に掛けて上半身を起こす老女と、小さな女の子がいる。


この老女は……そうだ……おおばあ様だ……。

それで、この小さい子は、あたし。


おおばあ様は、小さいあたしの頭をしわくちゃの手で撫でて言った。


「人生は一度きりだ。だから、めいいっぱい楽しむんだよ。でなきゃ、損だからね」


ああ、そうか。

この言葉、おおばあ様から聞いたんだ。


「なるみはまだ小さいから、いつかおおばあのこと忘れちゃうかしらね」


「おおばあちゃまのこと、絶対忘れないもん」


「そうかい?嬉しいねえ」


おおばあ様は、本当に嬉しそうに笑った。


ごめんなさい、おおばあ様。

でも、思い出せた。


……あたし、ちゃんと楽しめてるのかな。



ーーーーーー


瞼が、重い。

あたしは再び暗闇を漂ってた。


「まだ起きない?」


と、不安げな母の声が聞こえる。


そろそろ、起きなきゃ。


あたしは、うんしょっと瞼に力を込めてこじ開けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ