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ごめんあそばせー
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「あのエロじじいは、ただ単に女の子の手触りたいだけだから」
とか、大旦那は笑いながらこう言う。
柳原先生は大旦那の大学の先輩でもある。
この台詞は、柳原先生をよく理解してるからこその発言だろう。
でも、あたしは認めない。
「やめてください。あたしの柳原先生像をぶっ壊さないで。……まあ、あたしも手触られたいんで全然いいんですけどね。ふふ、手洗っていこ」
「煩悩だらけやな」
さすがに引いたらしく、関西出身の大旦那の口から方言がでた。
ふん、なんとでも言えばいい。
「それじゃ、ごめんあそばせー」
「へーい」
あたしはお弁当箱を持って、るんるんと大旦那の研究室を出た。