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一面の、闇

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火の海って、こういうことを言うのかもしれない。

あたりはどこもかしこも真っ赤で、自分さえも燃えてるような錯覚を起こすほどの熱を感じた。


と、近くの天井が大きな音を立てて落ちた。

それに続くようにして、周辺の天井もぼろぼろと落ちてく。



助かるかもしれないという希望は、失われかけていた。

まさか、宗旦狐と一緒に死ぬなんて。


……あたしのせいだ。


「せんせ……ごめん、なさ……」


「なるみさん、少し無理しますよ」


……え?


そう思った瞬間、宗旦狐は持ってた消化器を放り投げてあたしを荷物みたいに抱えた。


そんでもって、水場の脇の燃え盛る壁に向かって突っ込む。



響く爆音。

肌が焼けるような熱風。

全身に走る衝撃。


「……なるみさん!大丈夫ですか、なるみさん!」


顔中に煤をつけた宗旦狐。

その向こうには、青空と銀杏の木とたくさんの人集りが見えた。




ーーあたしの記憶にあるのは、ここまで。

あとは、一面の闇だった。

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