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ちょお怖かったんですけどー

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「あーもう、ちょお怖かったんですけどー。なにあの人たち。あんなガチの集団で暴力振るってるとこ、初めて見たわー」


あたし、ミルクティー啜る。

冷静に、自分もボコされてたかもしれないって想像して、今更ながら震えた。


近くの駅のカフェ。

向かいに座る美月ちゃんは、ちらりとこっち見て、


「……なるみさんも、元ヤンだと思った」


ぼそりと呟いた。


「ちょっと、一緒にしないでくれる?あたしは図書室とかで、大人しく本読んでたような真面目な中高生だったんだから」


「ああ、地味な子ほどキレるとやばいやつだ」


「なにそれ。あたし、やばくないから。普通だから」


「いや、さっきのなるみさんの目、殺気立ってましたから。普通の人が、あんな人を何人か殺したことあるような目したりしません」


「おいこら」


誰が人殺しだ。

失礼しちゃう。


キレるとちょっと口が悪くなっちゃうだけだっつうの。



「そんじゃまあ、本題に入ろうか」


そうそう、楽しくお喋りしてる場合じゃない。


「あの人たち、美月ちゃんの中学生の友だちなの?」


あたしがそう聞くと、美月ちゃんはまた目を泳がせた。


「……お兄ちゃんから聞いたんですか」


「まあね。聞けば、朝倉先生が更生させてくれたらしいじゃん。なんでまた連もうと思ったの?」


「偶然だったんです。偶然、学校帰りに駅で会って、それで絡まれて。最初は美月が通ってる学校で暴れられたくなきゃ金出せって言われたんで、持ってた一万を渡しました。でもその後もしつこかったんで、さっきは刃向かったんです。そしたら、あんな感じで」


暴力沙汰になったと。

やっぱくそだな。


「あいつら、あたしの進学を邪魔しようとしてるんだと思う。執拗に絡んでくるし、なにかと挑発してくるし」


「さっきは手出さなくて偉かったね」


「もう、暴力はしないってお兄ちゃんと約束したんです」


美月ちゃんは、そう言って自分の手を撫でた。

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