表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
224/416

ちょいツラ貸せ

224


「美月ちゃん、大丈夫!?」


あたしが駆け寄ると、美月ちゃんは一瞬目を大きくさせて、直ぐに逸らした。


「今の、見なかったことにしてください」


「え?」


「余計なこと言うなっつってんだよ!」


美月ちゃんは、あたしの胸倉掴んで睨みつけながらそう怒鳴った。


ぶちっ。


あ?こいつなにほざいてんの?


「あたしがどんだけ勇気出して叫んだかわかってて言ってんの?人に助けてくれもらって第一声がそれ?なめてんの?」


「助けてくれなんていつ誰が言ったんだよ!」


「こちとら、てめえの周りの人間にかなり世話になっとんじゃワレ。あたしはてめえが傷ついたら悲しむ人たちのために勇気出して叫んだんだよ。勘違いしてんじゃねえぞ、容姿だけのくそ馬鹿女が。てめえの周りの人間もくそだったら、自分もボコされるかもしれないリスクまで負ってわざわざてめえなんか助けるかよ」


美月ちゃんの敵意剥き出しだった目が、少しだけ泳ぐ。

それから、ゆっくりとあたしの胸倉から手を放した。


「……ごめんな、さい……ありがとうございました」


「最初っからそう言えや。ったく、首しまるかと思ったわ。ちょいツラ貸せ。近くのカフェでいいよな?」


美月ちゃんは立ち上がって、小さく頷いた。



路地裏を出て、いつもの賑やかな通りに戻る。

そしたら、一気に現実に引き戻されたような気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ