お前の言動が謎過ぎんだよ!
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「そういえば、先生と美月ちゃんっていつから連絡取ってなかったんですか?」
ふと、宗旦狐が大旦那から美月ちゃんと連絡を取り合わないでほしいと頼まれてた件を思い出した。
なんで、そんなこと頼んだのかもよくわからない。
宗旦狐は美月ちゃんの恩人なのに、お礼するならまだしも、連絡を取り合うなってちょっと失礼な気がする。
「乗り込んだその日から、連絡は取らないように佐々木先生と元奥さんに頼まれました」
「なんでですか?」
宗旦狐は、少しだけ目を伏せた。
あんまり言いたくないとき、宗旦狐はこうやって目を伏せる。
「……美月ちゃんを、俺に娶ってほしくなかったんだと思います」
……娶る。
なんか、その言葉あんまり聞き慣れてないんだけど、つまり、美月ちゃんが宗旦狐と結婚することを、大旦那と元奥さんは望んでなかったってこと?
自分の娘を助けてくれた人に対して、そりゃ酷い仕打ちじゃない?
「俺は、賢明な判断だったと思います」
宗旦狐は、あたしの顔を見て苦笑しながら言った。
どうやら怒りがそのまま顔に出てたらしい。
「どうしてそう思うんですか」
「なるみさんは質問が多いですねえ」
宗旦狐は困ったように笑いながら頰を掻く。
お前の言動が謎過ぎんだよ!