女の情報共有速度舐めんな
22
「それで、その合コンのクソみたいな男、幼馴染と渡辺さんにチクったの?」
「もちろん!主催者のゆかりさんにまで行き渡って、ゆかりさんの合コン友だちにまで男どもの名前、知れ渡ってるらしいですよ。当分あいつら合コン誘ってもらえませんね!」
「待ってそれ、昨日の話だよね」
「女の子の情報共有の早さ、舐めないほうがいいですよ」
あの後、家に帰ってからあたしは花村と先輩に謝罪してからトイレで聞いた言葉そのままを伝えた。
二人とも二次会のカラオケまで行ってたらしくて、そりゃあもう激おこだった。
花村は連絡先交換した男を即座にブロックしたらしい。
それにしても、なかなか厚顔無恥な男どもである。
それに対して大旦那は、
「女の子って怖いなあ」
とか抜かした。
何十年も女子大の講師やってる人の台詞とは思えん。
「佐々木先生は、飲み会どうだったんですか」
「……ほとんど覚えてない。下ネタ連発した気がする」
佐々木先生、飲むといつも記憶なくしてる気がする。
この間一緒に飲んだ時も記憶なくしたらしくて、次の日に謝罪のメールが届いてた。
「だから、君の言葉は耳が痛いよ」
「ん?」
「いい歳した大人が、限度も弁えずに酒飲んでんじゃねえって言葉」
「あー」
ホームの眼鏡男に言った言葉ね。
逐一台詞までよく覚えてるもんだ。