笑いたけりゃ笑え!!くそ!!
215
「ってことで、まだ日にちは決まってないんですけど、結婚式に行くことになりました」
「へえ」
「ご祝儀ってどのくらいが妥当なんですかね?」
お昼。
大旦那の研究室でお昼を食しながら、一昨日の幼馴染からの一報を話してた。
大旦那は、大して興味がなさそうにソファで寝転んでる。
「三万円が妥当じゃないですか?」
と、いつものように向かい側に座る宗旦狐が答えてくれる。
なるほど、三万か。
今のうちに貯めておこう。
「ところで、なるみさん。聞きたいんですけど」
と、宗旦狐が挙手する。
「なんでお昼ご飯がこんにゃくゼリーだけなんですか?というか、それお昼ご飯なんですか?」
宗旦狐は、あたしが咥えてるクラッシュタイプのこんにゃくゼリーを指差してこう言った。
あ、それ聞いちゃうんだ。
「朝倉、お前それは聞いちゃあかん。僕だって気遣って聞かなかったのに」
大旦那の“気遣って”って言葉が、一番あたしの心を抉ってる。
「……処刑台に乗ったんです」
まあ、見事に処刑されたよね。
乗って三秒くらいで瞬殺だったよね。
「ダイエット、ですか」
「今さら無駄だってことくらい、自分が一番理解してますから!!別に、十kgとか二十kg……いや三十kg痩せようとかは思ってません。痩せたいけどね!?!?でもそんなん急には無理に決まってんじゃないですか!!だから、せめて夏休み前の体重に戻そうと必死なんです!!」
笑いたけりゃ笑え!!
くそ!!