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順調に肥えてそう
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結局、お昼はステーキになった。
比較的空いてたし、お腹が肉を欲してたから。
いや、あたしの場合常に欲してるんだけども。
にしても、最近は宗旦狐に焼肉食べさせてもらったりしてるからほんとに体重見るのが怖い。
順調に肥えてそう。
……今夜辺り処刑台(体重計)乗って現実目にしないとやばいかもな。
そんなこと考えつつ、花村と一緒に食べ放題のパンにかぶりつく。
焼きたてミルクパン、美味しくて泣ける。
「なるみさ」
と、唐突に花村がじっとこっち見てあたしの名前を呼ぶ。
「なんか、変わったよね」
「は?」
変わった?
いや、あたし花村と一ヶ月くらい前にも会ってるんだけど。
もしや……やっぱり太った!?
あたし、咥えてたパンをそっと皿に戻す。
「……最近、食べたり食べなかったり波があったから、きっと食べたときの栄養の吸収量が増えてそれで太ったんだ」
「え?太った?」
「変わったって、そういうことでしょ?」
「いや、そういう感じじゃないんだよね。かと言って、痩せたわけでもないけど」
それって変わってないってことじゃね?
なんだ。
あたしはまたパンを咥えた。