すっかり秋の装い
205
ーー次の日。
お昼頃に、平塚駅で待ち合わせしてた花村と合流した。
相変わらずおしゃれ。
女子力が眩しい。
「お待たせー。やっぱうちからここまでは地味に遠いわ」
と、花村。
「お疲れ。んじゃ、駅からちょっと遠いから、バスで行こう」
「おーう」
ってことで、バス停に移動。
新しくできたばっかりだからか、やっぱりバス停にはそれなりの人が並んでた。
それにしても、ことごとくバス停に並んでる女の人の服の色が秋色だなあ。
ブラウンにボルドーにマスタードにネイビーにカーキ。
隣にいる花村も、ブラックのワンピースにボルドーのショートブーツって格好してる。
格好と黒髪との相乗効果でやけに大人っぽい雰囲気が漂ってた。
「なに?」
あたしの視線に気づいた花村が訝しげな顔する。
「いや、その服似合うなって」
「ああ、うちの新作なの。社割で安く買えちゃった」
花村の働いてる店は、それなりのブランド服屋だ。
安くって言ってもあたしが着てるような庶民派の服屋の服とは、きっと比べものにならんだろう。
花村をちょっと見習いたいけど、いかんせんサイズがな……。
「あたしでも入るような大きいサイズの服も置いてよ」
「うちが社長になったらね」
……いつになることやら。