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酒は飲んでも飲まれるな

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あたしは落ちてた眼鏡を野次馬から受け取って、半ば投げつけるように男に渡した。


「いやあ、ごめんごめん。ありがとうね」


男は眼鏡をかけながら、人の良さそうな笑顔で悪びれた様子もなくこう言う。


もう、あたし、腹立ってしょうがない。

男をゴミクズみたいに見下げながら、ついこんなことを言ってしまった。



「いい歳した大人が、限度も弁えずに酒飲んでんじゃねえよ。くそが」



多分、あたしも酒が残ってたんだと思う。

普段、こんな人目があるところでこんなこと死んでも言わないもん。


男は目を大きく見開いてあたしを見てた。


気がつけば、周りの野次馬たちは男からあたしに視線を移してる。


あたし、恥ずかしくなって男に背を向け、野次馬の間を縫って足早にその場を離れた。

とにかくホームにいたくなくて、階段を上って改札に向かう。


もうしばらく、頭冷やそ。


窓口で出してもらい、あたしはその足でネットカフェに向かった。

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